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【7分で読める】キャッチコピーをつくる3つのポイント(木戸)

*博報堂時代の『心・技・体』…技その⑲

HDAの木戸です。

今日のテーマですが、博報堂時代に、コピーをつくる際にチェックしていたポイントを整理して紹介します。

結構、コピーに対して苦手意識が強い人も多いのではないでしょうか。実は、僕もそうでした。

僕はコピーライターではないのでコピーを書く専門家ではありません。ただ、博報堂の制作営業として広告制作に関わってきたので、何度もCM制作の打ち合わせやプレゼンを経験してきた中で、常に営業として俯瞰してコピーをつくる現場にいました。

営業は、プレゼンでコピーの素晴らしさをプレゼンする必要があります。「感覚的に」で済ませず、ロジカルに説明する必要があります。

そういう意味でも、プレゼンの際に注目してもらうポイントが、今日伝える3つのポイントです。

独立して、フリーになると、結構コピーを必要とする場は多いです。
独立してなくても、企画に名前をつけたり、イベントのタイトルを考えたり、仕事をしていると、結構コピーをつくることって多いですよね。

今日のポイントは、今なおコピーワークの起点にしています。

1.No.1かOnly.1を表現する

このnoteでも、何度も繰り返し伝えていますが、マーケティングで一番大切なのは他社との差別化です。差別化するのに最も分かりやすく有効なのは「No.1かOnly.1をとること」です。

例えば、ビール大手2社のコピーを比べてみます。

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アサヒビールは商品の「機能性」をアピールするのが得意です。

中でも一番わかりやすいのが、売上No.1です。

なんで飲んでるの?

え?一番売れてるってことは、一番間違いないでしょ。

ってなもんです。

こうして、売上NO.1訴求によって、さらにブランド力を高めていく。それがスーパードライブランドです。

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アサヒビールの「機能性」訴求に対して、サントリーは「ベネフィット(情緒)」に訴えかけるメッセージが非常に得意です。

この2社のCMを見比べるだけでもその違いが明確なので非常にオモシロイです。

プレミアムモルツは、今では超王道ビールですが、以前はかなり色んなアプローチを試していました。この広告は、「週末のご褒美」というテーマで、それまで誰もいなかったオケージョンをつくり、可視化することでOnly.1の立ち位置を築いた例です。

誰もいなかったという表現をしましたが、実際は、潜在的にあった「週末はちょっと贅沢したい」という需要を掘り起こし、そこをコピーで顕在化することで、新たな市場をつくりました。

このように、No.1かOnly.1で差別化する、もしくはNo.1になれなくても、自社商品・サービスの強みを強調できているかは、最重要なチェックポイントです。

2.最短距離で表現する(シンプルかつ具体的に)

シンプルに?そりゃぁ、そうだろう。

と思われるかもしれませんが、シンプルに、かつ分かりやすく伝えるのって、めちゃくちゃ難しいです。

やみくもにシンプルを目指すと、言葉足らずになって、意味が伝わらなくなっては本末転倒です。

例えば、このコピー。

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いつも美味しいご飯をありがとう!という感謝の言葉とおかんの愛情を感じるポジティブなメッセージを、逆接で切り返し、、、

どうしても息子の成長を願って量を作りすぎるという、おかんアルアルでうまくイジることで、息子ならではの照れくさい感じも表現されています。

逆接だけど、否定ではなく、後半のコピーでもオカンの愛情を感じる、総じてポジティブなメッセージになっているところが秀逸です。

コピーで愛情を狙いすぎると感情移入できなくて上滑りすることもありますが、これならプッと笑えるくらいでちょうど良いトンマナ(トーン&マナー)です。

次にコレ。

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王道中の王道コピーですよね。

週末の土日に休みが取れたらどっか行きたい。という本能的な欲求をそのままコピーにした例です。

しかも、そうだ京都、行こう!だと1人でも成立するし、そうだ京都、行こう?だと2人でも成立する、受取り方によってターゲットも変わります。

さらにさらに、みんなが真似して日常で使い始める、というのも素晴らしい点です。

そうだ、コンビニ行こう。

そうだ、職員室行こう。

そうだ、得意先行こう。

使い道無限なのは、コピー自体がシンプルであるからこそです。

※ただ、これが認知度の低い観光地だと成立しません。

そうだ泉台、行こう。

だと共感はできません。(ちなみに泉台は木戸の地元です。)

でも、

そうだ京都、行こう。

京都はこんなところで、食も、街も、自然の風景も想像できるからこそ、「京都行ったら楽しそうだよね」っていう共通認識のもとに、シンプルな表現で伝わります。


3.ポジティブに(自虐ネタOK)

広告はポジティブなメッセージであるべきです。批判や否定、その広告で誰かが傷つくことはあってはなりません。

ごくまれに、”比較広告”で、「他社より当社が良い」というメッセージも目にしますが、基本は他社を否定して自社の評価を上げるのはナシです。

もちろん、自社をディスる会社はありませんが、上記の差別化ポイントなどを探っていると、どうしても、「ウチは大手じゃないから」とか、「メジャーブランドだから言えるんでしょ」と卑屈になってしまうこともあります。

そういう時は、こんなコピーも参考になります。

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キャッチコピーではないですが、メッセージ、トンマナが非常に好きな広告です。

言うなれば「自虐」っぽく、「ウチは皆さんに支えてもらえないとつぶれますよ」と割り切ったスタンスで、関西ならではのギャグをまじえてメッセージしています。

逆に、夢の国であるディズニーランドや色んなコンテンツのブランド力で勝負するUSJには決して真似できないメッセージです。

そういう意味では、単なる自虐ではなく、地域密着のひらパーだからこそできる、差別化されたメッセージになっています。

以上が、僕なりのチェックポイント3つです。

●注意点)デッカイこと言い過ぎてない?

広告をつくる制作打ち合わせでよく議題になるポイントをオマケで最後に1つ。

それは、「そのコピーをそのブランドが背負えるか?」というチェックポイントです。

どういうことかと言うと、、、

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例えば、この2つのコピー。

世界は誰かの仕事でできている。これはコカ・コーラのコーヒーブランド「ジョージア」のCMコピーです。

日本の女性は、美しい。これは資生堂TSUBAKIのブランドコピーです。

ジョージアのコピーにある「世界」とは、「世の中」の仕事という意味です。このように、日本社会全体に対してメッセージしています。

缶コーヒーのメインターゲットは、ブルーワーカーですが、それを、ホワイトワーカーも全ての働き手もすべてひっくるめて、働く人全体をターゲットにしたメッセージになっています。

缶コーヒーは「純粋想起でトップにならないと選ばれない」と言われます。つまり、缶コーヒーと聞いて一番に思い浮かぶブランド以外は手に取られないということです。

一番に思い浮かんでもらうためにも、あなたたちはみんな、ジョージアのターゲットですよ、と伝える必要があります。

大きなメッセージは、資生堂TSUBAKIの例も同じです。

資生堂やTSUBAKIは、長きにわたって化粧品ブランドとして女性を応援してきたブランドであり、それは誰もが知っています。

だからこそ、「日本の女性」と言われても、TSUBAKIや資生堂が遜色なくコピーを背負えるブランドとして受け入れられるのです。

それが、ほとんどまだ日本中に認知されていないブランドが「日本を変える」とか、「まだ見ぬ世界へ」みたいなメッセージをコピーに背負わせたとしても、ブランドがコピー負けしている印象を与えてしまうと、、、ちょっとサブいな、とか、言いすぎてない?と、共感は得られません。

世の中にあふれたCMに注目していても、結構そういったケースは見受けられます。

もちろん、そういう企業やブランドになっていく!という気持ちは大切ですが、貴重な広告予算を投下しただけの効果を得るためにも、この点は非常に重要なポイントです。

以上です。

今日はコピーをつくる際のチェックポイント3つと、最後にオマケのチェックポイント1つを紹介してきました。

少しでも、参考になればと思います。

では、また次回。

このnoteでは、★色んな働き方、生き方があるということをシェアして、結果的に、多くの人が目の前の仕事に忙殺されるだけの人生ではなく、自分の意志で取捨選択した人生やキャリアを歩める世の中になることを願って書こうと思います。僕にとっては、博報堂時代のサラリーマン人生も、その後のフリーの木戸俊介としての経験も、どちらも欠かすことはできません。両方あるから、今の木戸俊介がいると思っています。そういう意味では、特に、今後の将来に対する期待と不安が入り混じる同世代、★29歳~38歳の企業マンに向けて話すつもりで書けたら良いなと思っています。

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