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【3分で読める】タレントと会社員のアウトプットの違い(木戸)
博報堂時代の『心・技・体』…心その⑩
こんばんは。連日、HDAの木戸です。
今回は、タイトルにあるように、博報堂時代に仕事でご一緒したタレントさんと、自身も含めた会社員のアウトプットの違いに焦点を当ててみます。
これは、会社員である人、これから退職をして独立を考えている人、どちらにとっても意味のある内容になります。
僕自身が、博報堂の営業だった立場=Beforeと、退職し独立後のフリーランスの立場=Afterを通して違いを強く感じたので、実感を込めて共有するので、是非読んでいただきたい内容です。
●博報堂時代=会社員としてのアウトプットとは
博報堂時代は、営業ということもあり、自分の立ち位置は、常に、クライアントと誰かの間に挟まれて仕事をしていました。
【挟まれる立ち位置】
●クライアント⇔自分⇔タレント事務所
●クライアント⇔自分⇔媒体社(テレビ局や雑誌社)
●クライアント⇔自分⇔コンテンツホルダー(Jリーグやゴルフ協会など)
多かれ少なかれ、会社員は、このように板挟みに合いがちです。社内だけで見ても、上司や会社の板挟みに合い、自身の本音が削られて意見に丸みを帯びていきます。
こうなるとどうなるかというと、自分の意見を述べる場合には、その目的が「着地させるため」なので、両者の意見の折り合うところを言い当てることに神経を割きます。
登場人物が増えると、全体最適を考えて、当たり障りのない、平均的なポジションに意見を着地せざるを得なくなるのです。
要は、置きにいった意見になるわけです。
もちろん、みんなの意見を妥協ではなく、”昇華”させて革新的なアイデアを思いつけばそれに越したことはないのですが、そんなに頻繁に起こることではありません。
むしろ、交渉ごとでは、そんなウルトラCのような昇華案よりも、現実的な思考回路が求められ、いかに折り合い、着地点、もっとに言えば”妥協案”に着地させることが1つのゴールになり得ます。
結果、着地させることがゴールになると、「当たり障りのない意見」が着地点になりがちです。
こうして会社員は、自身の意見を主張するよりも、相手の顔色をうかがい、どの人の意見に寄せていくべきかを考えてアウトプットすることになります。
このメンバーだと、特にクライアントの部長の意見を後押ししていった方が決まりやすいかな。といった感じです。
もちろん、その意見が間違っていると思えば否定しますし、議論の方向性が間違っていれば軌道修正もしますが、最終段階にもなれば、A案でもB案でも大差がない、という場合もありますので、可能性が高い方に着地をさせるよう促すことも、営業のスキルの1つだとすら言えます。
その分、自身の意見をアウトプットするよりも、全体やキーマンの意見をインプット(情報収集)することに注力するようになります。
今、会社員の皆さんはどうですか。そんな風になってはいませんか。
●一方、タレントさんは180度違います
タレントさんは、自分のイメージそのものが商品であり、自分の一挙手一投足が自分のメディア価値=市場価値を左右します。
なので、カメラの前に立つ時の緊張感が違いますし、発言に対する意識が大きく違うと、撮影現場で感じさせられました。
僕は、色んなタレントさんのCM撮影に関わらせていただきましたが、カメラで撮られる側の人は、カメラが回る瞬間にスイッチを入れます。
敢えて言うと、会社員が着地点を探すようなアウトプットでは、言葉に刺激も力強さもなく、周囲に対する求心力も説得力も纏えない表現になります。
●僕自身が痛感したのは、独立後、最初に始めたNPOの活動です。
僕は、障がいに関係なく、海水浴や山登り、木登りまで。野外でのアクティビティにチャレンジする、という活動の代表をしています。
現在においても、日本全国でも数少ないことと、先行して行っている活動であるため、テレビや新聞などでメディアに取り上げていただくことも多いのですが、そこで語る内容は、全て法人としての発言になります。
インタビューに答えながら痛感したのは、限られた尺(放送で割ける時間)の中で自身の考えを簡潔に述べる必要に迫られたときに、常に自分の意見を表現できるアウトプットを持っておく必要性です。
だからこそ、下記のような基本的な問いに対しては、最低限自分らしく、法人らしい表現でアウトプットを磨いておく必要があります。
【メディアでよくある質問】
●この活動の目的・意義・理念は?=Why
●面白いポイントは?=How(差別化)
●どういう人たちに参加してもらいたいですか?=Whom(ターゲット)
●今後の目標は?=Why(ビジョン)
少し余談ですが、自分の意見や表現を磨くための身近なトレーニングの1つとして、日々の報道番組を見る際に、コメンテーターの話を聞くだけでなく、常に自分の意見を用意しておく、という方法があります。
例えば、記憶に新しいところでいうと、五輪のスタジアム建設やロゴ盗作問題/日大のタックル問題/吉本の闇営業問題/コロナ禍の自粛要請と感染症対策/森喜朗会長の女性差別発言など、、、様々な問題に対して、自身の意見を固めておくのです。
そのテーマに対して、自分はどう答えるのか。
●YESなのかNOなのか
●前向きなのか後ろ向きなのか
●支持するのか、批判するのか
⇒なぜそうなのかと突っ込まれたら、その理由や根拠はなんなのか?
それを繰り返していると、決定的に、アウトプット重視で生活するようになります。
人の意見を収集するよりも、自分なりの意見を瞬時に出してみて、それが自分の生き方や価値観に合っているかどうか、改めて吟味するんです。
皆さんも、是非”壁打ち”をしている感覚で、色んなテーマで試してみてください。インプット重視の方、バランサー気質の方は、如何に自分の意見が周囲の意見に影響されているかが分かると思います。
特に、これから独立しようとしている方や、独立したての方は、是非
明日からすぐにできることなので、是非実践してみることをオススメします。では、今回はこのへんで。また、次回お会いしましょう。(木戸)
このnoteでは、★色んな働き方、生き方があるということをシェアして、結果的に、多くの人が目の前の仕事に忙殺されるだけの人生ではなく、自分の意志で取捨選択した人生やキャリアを歩める世の中になることを願って書こうと思います。僕にとっては、博報堂時代のサラリーマン人生も、その後のフリーの木戸俊介としての経験も、どちらも欠かすことはできません。両方あるから、今の木戸俊介がいると思っています。そういう意味では、特に、今後の将来に対する期待と不安が入り混じる同世代、★29歳~38歳の企業マンに向けて話すつもりで書けたら良いなと思っています。