見出し画像

ASC41(Gannex Pharma)

Gannex Pharmaが開発中のASC41は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、LDL-C、肥満などの治療に向けた新薬候補です。

ASC41の作用機序の鍵は、その活性代謝物が甲状腺ホルモン受容体ベータ(THR-β)の選択的作動薬…つまりは甲状腺ホルモンとして働くプロドラッグって点ですね🤔


作用機序

ASC41の活性代謝物が甲状腺ホルモン受容体ベータ(THR-β)の選択的作動薬であるという点について、もう少し詳しく掘っていきます。

甲状腺ホルモン受容体(THR)は、甲状腺ホルモンが細胞内でその作用を発揮するための重要なターゲットです。これらの受容体は体内でさまざまな生理作用に関与しており、特に代謝、心臓機能、脂質代謝に重要な役割を果たしています。

THRは主に二つの型、α(アルファ)とβ(ベータ)があります。これらは体内の異なる組織で異なる機能を果たします。 

今回のターゲットはTHR-βです。
THR-βは、特に肝臓での脂質代謝に関与しています。脂質代謝は、コレステロールやトリグリセライドなどの体内の脂質濃度を調節するプロセスです。

THR-β受容体を選択的に活性化することで、ASC41は特に肝臓での脂質代謝を改善することを目指しています。これにより、LDL-C(悪玉コレステロール)の低下や、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)やNASHの治療における有益な効果が期待されています。

ここから先は

1,808字
この記事のみ ¥ 200

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?