だけど、こんなはずじゃなかったのに....とさいなまされることは、実はなかった。今もない。なぜなら、わたしがなりたかった「何か、何者か」なんて端からなかったから。それは単に、若い頃の自意識が生んだ幻想でしかなかった。私は、私1人の世界みたいなものを案外必要としていなかった。(5)

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