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ちゅけまる
2020年11月28日 21:16
生意気だけれど、少し遠くから眺めている彼女がいちばん綺麗にみえるのかもしれない。決して自分に振り向くことのない淋しさと安心感。自分が触れることのない彼女とその隣で彼女の眼をみながら微笑む友人は、近くにいるようでもうずっと遠くを歩いていた。僕が初めて彼女と出会ったのは、友人の結婚報告の時だった。細過ぎないが白くて綺麗な長い腕を半袖のブラウスからのぞかせ、栗色のセミロングの髪が風によってふわっと靡
2020年11月25日 21:44
初夏。僕は今、薄紫色のワンピースを身に纏った彼女の三歩ほど後ろを、彼女のかぶる麦わら帽子のてっぺんを見つめながら歩いている。首筋に僅かな汗が滲み、一つにまとめた髪の束のほつれ毛が彼女のうっすら焼けた細い首にぴったり張り付いている。歩調を合わせながら、なるべく邪魔をしないように2人の会話を聞き静かに歩く。誰も僕を見ていないが、話の流れに合わせて首を頷かせながら、時折彼女の影に目を落とす。