耐震住居は造船所で 恣意
東日本震災で、陸に上がったままの漁船の画像を見た。(黙とう)
大変でしたね。復興を応援してます。
そこで、コストを無視しての発想があった。
新しい概念での耐震住居である。
実際には、『免震で、浮いて流される』住居である。
実際は、数十年前に同じ発想の物が、実際に住宅として建築された。
砂利を撒いた上に『置いた」楕円形の横倒しのドラム缶を家にする というものである。
地震で横揺れしても、砂利の上をすべるだけなので中には揺れが伝わりにくい。
縦揺れには、せいぜい二階建ての『ドラム缶』だから、構造的に耐えられる。
欠点は、ドラム缶だけに、夏暑くて冬に寒い との住人の談。
と、当時の雑誌に書いてある。
(出展不明 図書館で発掘した雑誌であるが忘れた)
同じ発想が、免震構造の住宅にある。いや、高層マンション、オフィスビルも同じ構造で建てられている。
基礎部分とその上に乗る建物との間に、ゴムと金属板のミルフィーユを挟んで、ミルフィーユが地震での横揺れを吸収する。
あるいは、基礎の上のレールと建物を支える車輪かコロ、あるいは、浅いお皿を支える基礎とボールに繋げた柱の上の建物で、同じように横揺れを吸収する。
ここで大問題は、電気ガス上下水道の配管である。
基礎側と建物側の間を『長さに余裕のあるゴムホース』で繋いで揺れに対応することを基本として繋げる。
しかし、従来の『免震構造』は次の問題を持っている。
一つ目が、基礎と建物の工事で、特殊な部材と工程と専門知識が必要なこと。これは直感的に分かる。この分コストも上がる。
二つ目が、しょせん建物部分は従来のものと同じだから、根本的に揺れに弱い。想定以上の横揺れで免振部分が限界になると途端に揺れが建物を襲う。まあ、それほど大きな横揺れなら、家の心配の前に日本が崩壊するだろうが。
さて、ここから恣意でかつ超妄想な案である。
冒頭の『陸に上がった漁船(黙とう)』のような家に住めば良いのでは?という発想。
但し、この案は、高層マンションなどのビルには向かない。せいぜい三階建ての戸建て住宅程度を対象にしている。
船は、キール(竜骨?)を中心とした『内部骨格』で強度を確保して、台風の大波で真ん中から折れる悲劇が無いようになっている。
住宅で内部骨格があると不便だから、ここは『外部骨格』に切り替える。
鋼材(H形鋼など)で、直方体や立方体や球体かドームの、『外骨格』を作って、それに壁・窓・部屋の仕切りなどを『貼り付ける』。
これを、コンクリートの浅い皿状の基礎の上に置く。
前述の、扁平ドラム缶を、幾何学面で発展させただけではあるが、外骨格をしっかりとさせることで、壁などには従来の部材が流用でき、断熱性も確保できる。
従来部材の流用はコスト削減になる。
基礎も大した工事でなく、逆に固い地盤迄支柱を埋め込むまなくて良いから基礎工事のコストと期間が節約できる。
もっとも、普通の住宅ならそれほど深くまでの基礎工事は無いから、深く支柱を通す部分は、節約の対象にはならないかもしれないが。
思いもよらぬ利点がある。
津波が来たら、家ごと流されることができる。
水タンクと太陽光発電か燃料電池があれば、流されながらでも、流された後でも生活はできる。
難点は二つ。
一つ目は、元の場所へどうやって戻すのか? 日通の巨大トレーラー?
二つ目は、流される間に他の住居や建物を破壊してゆく。もっとも、津波で壊れるものだし、流される途中で人命救助ができる利点はある。
ここまで読んだなら、もう気付くだろう。
そう、工場生産が可能なのである。
従来の『部品組み立て型のプレハブ住宅』の、つまりユニット系のプレハブに似ている。
ユニットの『直方体の各辺』の部材を強化し、接合方法も少し強化する。
そして、一階部分の防水加工を追加する。(コストがぁ~)
これで、基本的には免振住宅になりうる。
防水がしっかりしていれば津波でも浮く。
プレハブだから、工場生産で品質が保証され、昨今心配されている『熟練大工さんが不足』を回避できる。
ここでも難点は最低二つある。
一つ目は、ユニット系だから、『カタログに無い広い部屋や特別な部屋』は工場長の説得が必要になる(その他、諸々)。
でも、優秀な日本建築業界なら エイッ ヤァッ とばかりに何とかしてくれるだろう。
二つ目の難点は、改築は大騒動になる。
ユニットが逆に障害になって、簡単に『壁をぶち抜いて』とかができなくなる。少なくとも困難にはなる。
これには、全体を覆う本格的な外骨格で対応することもできる。
家全体を覆う外骨格の構造なら、壁や仕切りは吊るしているだけだから、必要なら、二階を無くして天井の高い一階建てにすることもできる。
もっとも、全体外骨格はコストと期間と熟練工を現場で必要とするので、改築時のメリットと比較して判断する必要があるが。
ちなみに、ユニット系でも接合部分を外してレゴブロックのように組み立てなおすという発想でなら何とかなるかもしれない。
同じ規格の製品サポートが続いていればだが。
ところで、これを高層ビルに応用する?
せいぜい直方体程度の戸建て住宅ならよいが、柱のような高層ビルではメリットは無いだろう。
第一、浮いて流されるはずがない。
高層部分の重さが、津波程度の水深では浮上を不可能にするし、ビルの中層程度まで水面下にならないと浮かないから、防水加工も大変である。
ビルが浮くには、映画の「ディープ・インパクト」レベルの巨大津波を必要とするだろう。あれって、アメリカ壊滅だったよね?
ビルは従来の免震構造の方がコスト面でも有利だろう。どういう工法や構造であっても、ビルはしっかりとした基盤工事が必要なのだから。
なお、これは恣意であり妄想である。
よく表現しても『発想』である。
心中でバカにするのは良いが、ネットなどでの公開お叱りは無きように。
あと、実行するなら一報ください。
実現での研究・開発・商品化・宣伝・販売の各過程がどのように進むのかに興味があります。
日本の産業界が、発想から商品化までの道をどのように歩むのかにね。
bye
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