綺麗事とファンタジーから人を応援する世界に変えていく/「えんとつ町のプペル」クラウドファンディング7時間44分の奇跡
閉塞感に風穴をあけるのは、エンタメだ。
西野亮廣さんの映画「えんとつ町のプペル」の12月公開に先立ち、西野さんを応援する鴨頭嘉人さんの行ったククラウドファンディングが、先ほど10月5日15:00の開始から7時間44分という時間で目標金額の2000万を達成した。
達成直後の鴨頭さんのライブ動画がこちら。
クラウドファンディングへの参加はこちらから↓
https://silkhat.yoshimoto.co.jp/projects/2037
そして絵本「えんとつ町のプペル」を無料公開しているページはこちら↓
https://r25.jp/article/581356883170827173
応援する理由は、人それぞれあっていい。できるサイズでできるタイミングでみんなが応援する。「夢を持つことの大切さ」をテーマに描かれたこの作品を、誰がどんな理由で、何に共感して応援したくなったのか、それを知りたくなったのでまずは自分がなぜ応援したいと思ったのか少し書いてみることにした。
今回クラウドファンディングに参加された方も、えんとつ町のプペルという作品に興味を持って応援したいと今日思ってくださった方もよかったら、
「自分の心のどの部分にどんなストーリーが刺さって応援しようと思ったのか」
を #えんとつ町のプペル #私とプペル のタグをつけてnoteで発信してくれたら嬉しいです。
私がこのクラウドファンディング企画を知ったのは、鴨頭嘉人さんの運営するオンラインサロンの中で西野さんを応援する企画が度々取り上げられていたからだった。そして応援したくなった決め手は、私の場合次の2つのことにあった。
①子供達にチケットをプレゼントできる
子供達が学校や地域の枠から一歩を踏み出しにくい要因の一つに、周りの心配から生じる「制限」がある。SNSを使って悪い大人に騙されたらどうするの、アルバイトでお金を稼いで学業に支障をきたしたらどうするの、そんなことはしなくても私たち大人が保護下において守るから大丈夫、大人の心配は子供を狭いコミュニティと自由のきかない経済圏に閉じ込めてしまう。映画館でチケットを買うとなったら、ささやかなお小遣いから思い切って見にいく映画は普段からすでに慣れ親しんでいるものに限られてしまう。しかし、「誰かのプレゼントで」「それは自分たちに何人もの大人の善意によって全力でおすすめされたもので」ときたら、見に行ってみようかなと思ってもらえるかもしれない。
②正攻法で真正面から敵を作って切り込む改革ではなく、絵本というなんともファンタジックで優しい作品が世界を大きく変えるというワクワク
学生時代に選挙運動のお手伝いに参加してみて、正攻法では力無いものは正しくても勝てないのだと子供ながらに早々に大人をナナメから見るようになってしまった。新聞記者に憧れて就職活動をするも新聞をスクラップして読み漁り業界について調べれば調べるほど自分の憧れていた世界とは違うと実感してしまった時期もあった。
政治や報道によって社会を変えることが真正面から斬り込む「正攻法」だとすると、そこには様々な障害が発生する。忖度や外圧、資金と行ったしがらみから遅々として改革が進まず、旗を掲げた人間は疲弊して途中退場してしまうことも少なくない。
そんな風に大人の世界を見てきた私にとって、まさかの絵本という刺客が閉塞感に苛まれる現代人の生き方に光を照らす存在になりうるなんて、思いもよらない話だった。アートや音楽は学歴に比べると優先度の落ちるもので、その道に行きたいと子供が言い出そうものなら親はよほどの覚悟を持たねばならないか全力で止める、それが私が子供のころの「常識」だった。新鮮さと衝撃にひととおり身を委ねた後に、この挑戦を心から「ロマンティックで面白い」と思った。
私は長い間、「こんな世界は許せない」「やりきれない」そんな思いを抱えながら、結果を出すためには反骨心が何よりの力になるのだと思ってきた。それは体制や社会に敵を設定することでもあり、そしてそれが不合理な力によって叶わない時にはより一層私を悲嘆に暮れさせる原因となり私の中にどす黒い渦を巻くことになるのだった。
今日、日本の大人の善意によってたくさんのチケットが子供達の手元に届けられることになった。応援するためにお金を出し、誰かの幸せを願って実現したい未来を買う。そんな美しい世界が出来上がっていくのを、映画を応援しながら見てみたいと思った。
「世界を変える」
そう誰かが願うときそこにあるのは憎悪や反骨心ではなく、誰かの夢や希望を応援する優しく軽やかなエネルギーであって欲しいと思う。