そうゆう意味じゃない

これは過去、職場で起きたとある女性との会話の攻防についてのお話だ。

このnoteで仕事内容には触れるつもりはないが、僕の職場に異動してきた母親世代の女性とのやりとりで、面白かったエピソードを最近ふと思い出した。

母親世代の方(以下aさん)の家族構成は、偶然僕と同じ名前だけど4才年上の長男、僕の一つ上の長女、僕の二つ下の次女、ご主人だった。

ホントに良いお母さんであり、良い奥さんなんだろうなという思うエピソードがたくさんあり、人柄は最高に素敵な方だった。

何より仕事をしていて楽しかったなと思える方だった。

しかし困った所もある。おしゃべりが大好きで、自分に入ってきた情報は、悪気なく周囲にシェアしてしまう所と、ちょいちょい自分の娘を僕に紹介しようとする空気感を漂わす所だった。

出会った頃から、会話の文脈的にaさんから「うちの娘どう?会ってみない?」と言いそうな空気感を感じ、僕はあの手この手で「うちの娘どう?」を言わせないように牽制していた。

 当時は彼女がいたのだが、職場で自分の彼女の存在はわざわざいうつもりもなかった。

しかし、「うちの娘どう?」を言わせないように、牽制のつもりで自分の彼女の話題を出した。

「ふっ、阻止してやったぜ。」と勝ち誇った気持ちになった翌日に、僕のことも褒めながらも彼女がいることまで周囲に拡散し、「えっ?彼女いないっていたのに、実はいたの?」と広まっていた。

僕は、自分のプライベートな現在進行形の話は職場ではあまり話をしたくなかったので、少し手痛いダメージを負った。

その後も、aさんは自分の日常で起きた家族のお話を聞いて欲しいようで、僕はその話相手になっていた。

知りたいわけではないが子供さんたちの恋愛事情まで知ってしまう。

「お子さん達に将来の相手が欲しい」という親心はよく分かるが、何よりもaさんが自分の子供の恋愛話を聞いてお話するのが楽しくてしょうがないようで、僕にもいつも嬉しそうに語る。


それを聞くたびに僕は頑なに、絶対aさんの娘さんの紹介は受けたくないと強く思う。


娘さんがどうこうではなく、僕が娘さんと連絡を取ろうものなら、そのやりとりの全てを拡散されてしまう。


もし万が一、娘さんと付き合おうものなら、娘さんから聞いた話を、全方向に悪気なく拡散されてしまい、僕にプライベートはない。

娘さんが良いとか悪いとかではなく、それが絶対に嫌だった。


前の彼女と別れて以降で、ある程度、aさんと関係性ができてからの話だが、「娘さんのいい相手いないかな」との話題がでたので、最後の牽制のつもりでハッキリと伝えた。

「いたらいいですね。でも僕はaさんの、娘さんの紹介は受けたくないですね。娘さんが良いとか悪いとかではなく、もし連絡とろうものなら、aさんが嬉しくて職場に情報をばらまくので絶対嫌です。そのやりとりを肴に職場で、僕のことをあーだこーだ言われたらたまらない。」と冗談交じりに伝える。

一度ではなく関わる中で何度も「うちの娘をどう?」といわれる空気感があったので(確か言われたことあったかも)、こちらも最後の牽制だった。

さすがにちょっとaさんもシュンとなっており、きつく言い過ぎたかなと反省し、話題を変える。


「そういえば、息子さん料理上手なんですよね。やっぱり、料理ができる男ってポイント高いと思うんですよ。将来、いい旦那さんになりそうですね。」と伝えると彼女は嬉しそうにする。

少しほっとしたところで、aさんが口を開く。


「うちの息子は料理はできないけど、ホントに片付けられなくて、ひどい部屋なの。料理以外の、家事はできないかもしれないけど、それでもいい?」とまさかの息子の相手としてどうかの確認をしてくる。

思わず僕も「何で娘がダメなら息子の相手になれというのですか?俺が好きなのは女性ですよ。そうゆう意味じゃないですから!」と思わずツッコミをいれてしまい、とどめを指してしまった。

彼女も自分の天然ボケへのツッコミに笑っていたが、やっぱりそうゆう意味じゃないのだ。

僕は男で、好きになるのは女で、職場で自分の恋愛事情を拡散されたくない!以上。

なんだかんだで、aさんからは人として大切なことをたくさん教わった。

凄い母性本能の固まりのような方で、他人の僕まで我が子のように接してくださった。

職場を離れて前の関係者と連絡を取るのは自分の中では稀だが、aさんだけは今でもたまに連絡を取って、カープの応援にいったりするくらいには、僕も仲良くさせていただいている。

そんなaさんとのご縁に今もちゃんと感謝している。








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