とにかく明るい陸上部
大学陸上部の頃を、30代中盤の今になって振り返ると、ほんとによく走った、筋トレがキツかった、仲間とバカやったなという記憶しかない。
夏の風物詩として、10mある橋から川に飛び込むという無茶があったり、冬の吹雪の中、一日走ったこともある。
それが何か自分のためになったようには思えないが、良い思い出にはなっている。
僕の大学陸上部は、陽気なもので謎の体育会のノリで先輩が後輩をいじる姿もよくあった。
大したことはないのだが、しょうもないことで笑いがよく起きてるとにかく明るい陸上部だった。
しかし、陸上部の練習に関してはみんな真面目なものだった。
当時、中四国の大学の中では1強であったのもあり、高校で全国大会に出るようなメンバーが集まっているからか、練習の質が高く、速くなりたいという想いは全員共通だった。
監督がメニューを出さずに自分達で考えるようになっており、月水金土は全体練習、火曜日と木曜はフリー練習の日、日曜日は休みというサイクルだった。
僕らは違和感を持たなかったが、他の部活の人と話をしている時に、陸上部はどうかしていると指摘を受けていた。
何故かというと、男子部員が夏になると上半身裸で、練習を行っているからだ。
陸上部なりの理由はあった。ずーっと走っていると汗が体にまとわりつく感覚やシャツが肌に擦れる感覚が嫌になる。
さらに、半袖焼けが嫌だった。
朱に染まれば赤くなるとはいったもので、僕はその光景もそうゆうものだと違和感なく受け入れ、同じように夏になれば上半身裸になっていた。
女子部員もよくある光景と思っていた。
しかし大人になってから冷静に振り返ると、他の部活からしたら「どうかしている」と思われてもしょうがなかっただろう。
あれは夏のある日、いつものように上半身裸でみんな練習をしていた。
その日は練習メニューに坂ダッシュがあり、この記事のトップ画にある山のガードレールの箇所で、みんなで走る。
僕は練習途中で、足の調子に違和感を覚えて、グランドで休む。
陸上部のメンバーは引き続き坂ダッシュをしていたが練習風景を外から眺めていると、あることに気がつく。
上半身裸でみんな走っているが、ガードレールで丁度よくショートスパッツや、ハーフパンツが隠れていた。
まるでアスリート体型の若者が、全裸で坂道を高速で駆け抜けているように見えてしまう。
確かに外から眺めるとどうかしていると思わざるを得なかった。
しかも走っている全員が真顔だから余計に怖い。
安心してください。履いてますよ。
しかしあれはまちがないくとにかく明るい陸上部だった。
俺たちどうかしてたぜ!
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