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半導体産業と台湾(対岸)の火事

今年ももう11月、あと残り2ヶ月である。

最近、あまりnoteに書くネタがないので・・・うーん・・・と無理やり引き出して、今の半導体産業に絡めて台湾の話をしてみたいと思う

今や、半導体産業で飛ぶ鳥を撃ち落とす勢いのTSMC、そして株価いつまで上がるのNVIDIA。TSMCは台湾の企業である。NVIDIAは本社は米国カルフォルニアであるが、革ジャンCEOのジェンスン・フアン氏は台湾系アメリカ人である。そしてNVIDIAはTSMCに製造委託している。今や半導体産業はこのツートップが牛耳っていて、台湾と深いつながりがある。

公式な場でもこの革ジャンで現れると言う・・・

私、ワニは学校を卒業して東京の外資系コンピュータメーカーにバブルが弾けるまで7年位勤めていた。

その会社は今は他社に買収され、その会社も更に買収されているので影も形もない。ITの業界の伝説の会社となっている。

当時、まだインターネットなど無い時代。当然、スマホどころか携帯電話も一部の特権階級の特別なモノ。各家庭にPCが1台は普及されていなかった。

PCは今は違って極めて個人的な閉じられた利用に限られていて、ネットワーク機能は標準では持っていなかった。PCがネットにつながるのが標準になったのはインターネットが爆発的に普及した後、Windows95が発売されたあたりからである。

当時の企業の中でコンピュータシステムの使われ方としてはガラス張りの冷房の効いたマシン室(通称、パンダ小屋)に大型冷蔵庫のような筐体がいくつも並んでいて、各社員の席にはダム端末がシリアル回線で接続されているスタイルが主流だった。つまり、大型のシステムをみんなで分割して使うスタイルだったのである。

ダム端末とは・・・今や過去の遺物でしかないが、こんなのである。

ダム端末(ダムたんまつ、 : dumb terminal)は、TSS(時間分割サービス)の利用者が用いた端末の一種で、接続先のホストコンピュータが表示する文字列を受け取り、表示するだけの機能をもったものをいう。「バカ端」と呼ばれたり「ダム端」と略称されることもあった。

WikPadeia
おお、懐かしい・・・名機
もうちょっと近代的になると、こんな感じ

シリアル回線でホストマシンとやり取りして文字を画面に表示するのとキーボードで入力を受け付ける。それだけの機能しか無い。当時はまだCUIでGUIは導入されていないので、マウスさえない。

今や、こんなものは売られていないし、見ることもない。今なら、WindowsであればTeraTerm等のターミナルソフトがそれに該当する。

当時、私がいた外資系の日本法人の部署はそのダム端末の日本語化をやっていた。当時米国本社で作っているダム端末はアルファベットしか表示、入力できなかった。当時、日本市場で売上を伸ばすためには、OS、端末共に日本語化が必須で、それが重要な事業になっていた。

ま、一応は全世界に事業を展開しているグローバル企業だったので台湾に工場があり、その日本語版ダム端末は台湾の工場で生産されていた。

当時、私、ワニはまだ社会人になりたて、2,3年くらいの若造だったが、日本語版ダム端末の新機種が出て、それを台湾の工場で生産するので、台湾工場に視察に行った。もう、30年以上前の話である。

当時はまだ海外旅行も一般的ではなかったので、日本国外にでるのは初めてである。それが台湾とは・・・

いよいよ、空港を降りてまず感じたのは「暑い」。当たり前である日本の沖縄より南なのだから。そして蒸し暑い。なんか、空がスモッグで曇っている。それも、そう、空港からホテルまでの道のり、タクシーで移動したが、タクシーから見る外の風景は戦後の日本のよう。(知らんけど)木造のボロボロの家、ボコボコの道、そして、2ストロークのスクータがやたらと多い。

おそらく、当時、中国の国民の重要な移動手段が自転車だった、そのイメージが、当時台湾では2ストロークのスクータだったのだろう。そしてそのスクータの吐く排気ガスがすごい。これがスモッグの原因なのでは?オマケに信号がちゃんと整備されていない上に、スクータが縦横無尽で走り回る。移動中もそこらじゅうでスクータがひっくり返って、車と事故ってる。タクシーの運転手も常にハンドルのホーンに指をかけている。先に鳴らしたもの勝ちなんだろうか?

うーん・・・ド偉いところにきてしまったぞ・・・

ダム端末製造工場で製造ラインを視察していても、町中の様子を見ても・・・どうも、この国の国民性なのだろうか、みんな野次馬根性で無責任である。何かある度に人がわんさか集まってきて、ワー、ワー言い出すが(現地語なので何を言っているのかわからん?)そのうち、何もせずにぱーっと、蜘蛛の子を散らすように去っていてしまう。我々、日本人は「何だったんだろう?」とキョトンとしている。そんなのが何度もあった。無責任だ、無責任である。

台湾国民中、日本一の無責任男、植木等が「スーダラ、スーダラ」言いながら歩いているようなもんである。

日本一の無責任男

そんな中、台湾工場視察に一緒に海外出張した、同期1名と先輩1名で仕事も終わって晩飯でも食いに行くか?と、ホテルの外を歩いていたときである・・・

その私の同期が「あ・・・火事だ!」

え?っと、道の反対側を見ると木造のこ汚い、たぶん食堂でろう建物から今、まさに火が出ました!という場面で・・・木造なので火はあっという間に広がり火が空高く登っていった。

そんな中、例の野次馬根性の国民性なのか、人が集まるわ、集まるわ。あっという間に黒山のたかり。しかし、野次馬なので何するわけでもない、わー、ワー騒いでいるだけ。

ちょうど、その時私の同期は歩きタバコを吸っていた。

歩きタバコはやめよう・・・

すると、野次馬の中からひとりが現地語でその同期にがなり立ててきた・・・

怒ってる・・・?

現地語なので何をいっているのかわからないが・・・あ、そうか、そうか、危ないから火を消せって言っているのか?と思って、その同期はタバコの火を消した。

が、なんか・・・様子が違う。

その現地のがなりたててきた人はポケットからタバコを出して、口にくわえた。そして、その同期に「火を貸せ」と言っていたのである。

今、そこで、火事が起きているのに・・・・?

ん・・・?火を貸せと・・・?

その同期はライターでその現地人のタバコに火をつけてやった。そしたら、火事の高く登る煙を見つめなから、その現地人はうまそうにたばこの煙をくゆらせていた・・・

こんな感じでタバコを吸いながら火事の煙を眺めていた・・・

な、なんちゅう、無責任。他人の火事を、たばこを吸いながら面白半分で見つめるとは・・・・この事件で、この国の国民性を見た。

帰国後、この話を会社の仲間にした。で、そこで、この事件が

台湾(対岸)の火事

と銘打たれた。ちゃん、ちゃん。

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