減り続ける日本のサラリーマンの退職金
悲しい日本のサラリーマンの現実・・・
高度経済成長時代で身を粉にして、企業、組織のために働き、バブル崩壊、リーマンショック、コロナの3回の砲弾を浴びつつ、そろそろゴール、ウィニングランが見えてきているのに・・・1つ目のグラフを見てほしい。退職給付金の減り方が半端ない。
1つ目のグラフで、勤続年数別に見ると、
20〜24年の2013年 → 2018年
25〜29年の2013年 → 2018年
が逆に増えている。これは何で?というと、ちょっと前に日本の企業で黒字なのに希望退職を募るというのが流行った。この早期退職制度で退職金を上乗せで払った分がここに乗っているかららしい。
ホンダ、パナソニック等の企業が希望退職を募っていたのが2022年、対象が40代、50代。となると勤続年数的には20〜29年。グラグの縦軸は5年おきなので、2018年のところに計上される。なるほど、ピッタリグラフにハマる。
と言うカラクリを加味したとしても、全体平均でみるとやはり減り方は凄ましい。全体平均で、
2003年 2499万円
2018年 1788万年
700万円近くも減っているのである。この背景には、
ミソはここだ。国が年金支給が伸びるから、定年を伸ばして、雇用を確保しろと企業に言ったところで・・・そんなモン、国から補助が出るわけではない。その原資は各企業で、自ら捻出しろと言っているのである。
じゃ・・・って、各企業はどうするかと言うと、上のグラフが如実に示しているように退職金から剥ぎ取って、または給与カーブの上側を薄ーく、長ーく剥ぎ取って、それを原資とするのである。これが現実だ。
今はだいたいの企業が役職定年が55歳で戦力外通達、定年が60歳、年金支給が65歳だと過程すると、
入社 〜 55歳まで現役。(33〜35年間)
55歳で役職定年、戦力外、ウィニングランに入る。(5年間)
60歳で定年、ここで退職一時金を給付。一旦退職して有期雇用。でも、年金はまだ。ウィニングランも最終ラップ(5年間)
65歳でやっと年金支給。隠居生活に入る。
てな、流れになるが、今後は年金支給が後ろに延びるに同調して退職年齢も延びる。55歳で役職定年、戦力外が今まで通り変わらないとすると、ウィニングランの期間が長くなる。いくらウィニングランでも、長くなりすぎると息切れしてしまう。途中で倒れてゴールできなくなるかもしれない。
じゃ、どうすればいいのか?と言うと、年金支給の年齢、定年も後ろに延びているのだから、役職定年の戦力外通達も後ろに延ばせばいいのである。
昭和の時代じゃないんだから、今の時代、55歳過ぎたって現役でバリバリ働ける人はいっぱいいる。なのに、戦力外通達で会社の隅っこに追いやられ窓際族化、活躍する機会を奪われるのはおかしい。
人事制度も昭和の時代から脱却しなければ・・・