電子立国日本の凋落と失われた30年
ここ最近、日本での半導体産業の動きが激しい。
元々、日本は1980年代〜1990年代前半までは「電子立国日本」と呼ばれ半導体産業で正解的にも50%程度のシェアを保持しててい、絶対的に有利な立場だった。
だが、今はその影もない。このグラフを見ると日本の半導体のシェアの落ち込みぶりの凄さがわかる。
そして、日本が落ち込んでいるグラフの期間が、日本の「失われた30年」と言われる期間と一致する。他国がGDPが延びているのに日本は延びず、賃金も据え置かれていた期間である。
日本の「失われた30年」の原因が半導体産業だけではないと思うが・・・他の、色々な面でも、半導体産業が凋落していった原因と同じ匂いが随所に感じられる。
意思決定が遅い。
旧来のやり方に拘っている。それを踏襲しようとする。
自分達の殻に閉じこもっている。各社ことにバラバラ。
1986年に締結された「日米半導体協定」ですっかり、調子を狂わされたというのも否めないが、果たしてそれが無かったら、そのままの勢いで世界シェアの50%以上を確保できていただろうか?
既にこの頃米国を始め、台湾、中国、韓国の追い上げが始まっている。
日本人の特性として他国由来のものを真似して、それよりも品質のいいもの、価格の安いものに改良しているのは得意である。自動車産業がいい例である。
半導体産業も1980年代〜1990年代頭まではそうだったかもしれないが、そこから先は今までにない「何か」を生み出さないと他国には勝てない。
他国由来のものを真似して、それよりもいいものを作る。いわゆる「猿まね」と他国から揶揄されたいたものには強かったが、一方今までにないイノベーションを起こすと言う面では逆に弱かった。
おそらく、それなんじゃないか。日米半導体協定はきっかけのひとつに過ぎない。日米半導体協定がなくても、徐々に衰退していったのではないか?
米国の思惑も大きく影響してはいるが、日本はこれから半導体産業を盛り返そうとしている。今度は、うまくいくのだろうか?いや、うまくいって欲しい。