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ん・・・?これはと思うニュースが。
島津製作所の子会社である島津メディカルシステムズでX線装置の保守点検の際に、電力供給回路に不正に外付けタイマーを取り付け、このタイマーを作動させることで、意図的にエラーを発生させ、保守(補修)部品の交換を有償で行っていたというのである。
一瞬、家電製品でよく噂に上がるソ〇ータイマーを思い越したが、これはそれとは違って、明らかな意図が見える。
この不正に至った経緯は2つめの記事に書かれているが、
正当性に欠ける過度な目標設定(ノルマ)がされていた。
組織(営業所)の管理者クラスが主導でおこなっていた。おそらく、現場の人間はただ、それに従っていただけだと思われる。
不正行為を隠蔽しやすい環境だった。おそらくX線装置の中身なんてぱっと見、素人がみてもわからないし、作業は作業員が一人で行えば、いつ取り付けられて、いつ外されたのかなんてわからない。
そもそも、何故、故障の部品交換に売上目標を設定するのかが謎である。こういったX線装置などの故障率なんて、そうそう変わるものではない。なのに前年度比○○%UPなどという目標設定がおかしい。しかもそれを絶対死守せよ・・・なんて、何を言っているのかさっぱり意味がわからない。
むしろ、医療機関のX線装置ならば、病院、患者のことを考えると故障率は少ない方医療業務に影響が少なく、顧客満足度が上がるはずだと思うのだが・・・全く逆の方向に走っているのではないか?
おそらく、他の販売営業と同じノリで故障の部品交換も目標設定されてしまったのだろう。販売営業は、そりゃ、営業が頑張って売れば売っただけ売上も利益もあがるし、業績もあがるから、目標設定はわかるが。
おそらく、この目標設定の時点で異論を上げるべきところが、それがなされていなかったのだろう。
ここまでくれば、「あーん・・・」とわかるように、今まで似たような事件がいくつかある。
三菱電機 検査不正問題
かんぽ生命 不正営業事件
いずれも、共通しているのは
組織ぐるみで不正をおこなっていた。
厳しいノルマを設定されていた。
がある。1.については、現場単独で判断した不正ではないので、それにブレーキをかける人がいない。なので、どんどん助長していくのが問題。
2.については、人を恐怖で操っている。いわゆる「恐怖政治」である。「ノルマは絶対達成せよ!」、「お前ら、ノルマ達成できなかったら、どうなるかわかってるんだろうな?」という圧力で人を動かす。
そうなると、完全結果主義で、求められているのが「ノルマ」の数字だけなので、それに至るプロセスなんて完全に無視されてしまう。ノルマが達成できるか、できないか、0か、100か、どちらしかないのである。そういった状況に置かれると人はどういう行動にでるか?それが、これらの事件の結末でもある。
強すぎる「ノルマ」はモラルや社会常識さえも反故にしてしまうのである。
ノルマや恐怖政治で人を動かす方法は、外的要因による動機付け、内発的要因による動機付けで言うと、外的要因である。
外的要因による動機付けは一時的は「ピシッ!」と鞭を打つと効果が出るかもしれないが、長続きはしない。効果が薄れると、更に強い鞭を打たないと動かなくなる。こういった、不正もどんどん助長していくのは(特にかんぽ生命なんかが)、まさにそれなんじゃないだろうか?
島津メディカルシステムズの主導していた管理者クラスは言い訳無用で懲戒免職、よくても降格、左遷だろうが・・・実際に現場で作業した作業員は、ただ、それに従っていただけなので責任はない。そこは、なんとか救ってあげて欲しいところだ。
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