働かないオジさん問題・・・何が問題なのか?
また、働かないオジさん問題。
または、「静かな退職」という今まで聞き慣れない言葉も話題になっている。
最近、これらに関する話題が多く見られるが・・・いや、待てよ。ここらに書いてあるような話は昔からあったんじゃないか?20年も30年も前から「窓際族」なんていう言葉もあった。それと何ら変わらないのでは?
じゃ、何故、いまになってこれらが話題になるのか?それは・・・
今の時代じゃ、「働かないオジさん」、「静かな退職ピープル」を支えきれなくなったからじゃないだろうか?これに尽きると思う。
年功序列、終身雇用といった制度は戦後から変わらないわけだし。その中で、今の時代の「働かないオジさん」、「静かな退職ピープル」なんて沢山いたはずだ。(当時は「窓際族」)「ワシぁ、もう年だからあとは若いモンに任せるよー」と扇子でパタパタ仰いで、1日中お茶と新聞しか見ないオジさんなんていたのである。
それでも、昔は企業は彼らを支え続けて行けたのである。
それが支えきれなくなった理由は明らか。年齢の分布が昔と全然違うからである。昔は三角形型(年寄りが少なくて、若いものが多い)。それが樽型(真ん中の年齢層が多くて、年寄り、若い層が少ない)になり、今が逆三角刑型(年寄りが多くて、若い層が少ない)なってきたから。単純な理由である。
時代が進むにつれ、年齢分布が、三角形型 → 樽型 → 逆三角形型に変わっていっているのに、企業の人事制度、キャリヤプランは何も変わっていない。そんなの、働かないオジさんを生み続けるのは当たり前の話である。極普通に、何も考えずに企業のキャリアプランに乗っかっていると最後には、働かないオジさんが出来上がる。しかも、時代が進むにつれ、年寄りの割合が増えてくるので余計に目立つ。企業の負担にもなる。
企業としてもここらで考えどころである。今の日本は高年齢者雇用安定法の改正で70歳までの就業機会確保。これが努力義務から、義務になるのは確実。今のように、働かないオジさんをブーブー文句いいながら邪魔者扱いしても、それはコストにしかならないし、減らない。逆に、増えていくのである。今の逆三角刑型の年齢分布が急に変わるワケもない。若い年齢層はそもそもの人口が少ないのだから。
今までの昭和時代のような人事制度、キャリアプランではなく、オジさん世代、シニア世代をもっと有効に活用する制度に変えていかないと、結局、お荷物がどんどん増えていく結果になる。