「不眠症」(ドラマ版)感想
教訓「物語はラスト1秒まで油断するな」
第3回目は「ボッコちゃん」に収録された「不眠症」になります。
前回の「生活維持省」の感想はこちら
「ボッコちゃん」は星新一さんの作品を読みたいと思っている方におすすめな作品が多く収録されているのでよければ、ぜひ。
あらすじ
ある事故をきっかけに極度の不眠症に陥った男。新しい枕や睡眠薬を試すも効果がない。たまりかねた男は…!?
(公式サイトから引用)
以下本編ネタバレ注意です。
感想
今回はストーリーに関して特筆して良い点があまり見つからなかったので割愛します。強いて言えば役者さんの演技は良かったです。
総合評価
会社で蛍光灯を換えようとして脚立から落下してしまった男は目が覚めると、全く眠れない体になってしまいました。最初は眠れないことに苛立ち絶望しますが、ある日偶然見つけたクリニックの医師から「眠らない生活」を提案されます。
こうして男の昼も夜も働く24時間生活が始まりました。
それから仕事が上手くいき、同僚の女性社員とも良い関係になるのですが...
と、ストーリーはこんな感じでした。原作にほぼ忠実に作成して、かつドラマ版のオリジナル要素として、恋愛要素を追加したといったところでしょうか?やはりドラマになると恋愛要素はついてくるのかなぁと...。前回の「生活維持省」も恋人が追加されてたし、なんかそういう「恋人を追加しないといけない」決まりでもあるのでしょうか?
ドラマ版になったから追加されるのは仕方ないと割り切るべきでしょうか?
まぁ今回も面白かったので今回は10点満点中6点で・・・
ラストシーン後
「は?」
・・・0点。
不満点、というより怒り
私がなんで怒ってるかわかる?
と、面倒な質問をした人みたいになってしまいましたね。失礼しました。
さて、何故0点にしたか、を説明しないといけませんね。
理由は簡単です。原作のラストを捻じ曲げてしまったから。
原作だと主人公は不眠症を治す薬を医者から注射されます。その後目を開けた主人公は今まで自分が寝たきりだったこと。海外から取り寄せた薬でようやく目を覚ましたことを医者から告げられます。
そして寝ずに働いても払いきれない額の薬代が医者から渡されて物語は終わります。
が、ドラマ版はこうです。
目を覚まして薬代を請求されるところまでは一緒ですが、その後が最悪でした。
主人公は「そんな額...払えるわけない!」と言って病室から逃げ出します。そして目覚ましが鳴って主人公が自宅から目覚めて...といったシーンで物語は終わります。
・・・違うでしょ?
何故原作に忠実に作らなかった、というより、何故ラストシーンの解釈を変えたのか、これが全く理解できません。
恋愛要素を付け足しました。←仕方ない。
原作には無い設定を追加しました。←ま、まぁ
ラストシーンを改変してオリジナルに変えました←絶対に許さない
私個人としては、原作がある作品をドラマ化するのなら、原作に忠実にするべきだと思っています。同じ局の「江戸川乱歩短編集」はほぼ完璧でしたよ!なんで同じようにできないんですか!
失礼しました。感情的になってしまいました。
とにかく、ラストシーンを改変して、あまつさえ夢オチか予知夢だったのか、はたまた過去の出来事の回想なのか、見る人によって解釈が異なるシーンにしたのはわからないのです。誰か教えてください。
という事で、今回は0点です。お願いだから、ラストシーンの改悪だけはやめてください。本当に。
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