これは仕事とは言わない
とある特許事務所の「商標技術者」の日誌です。事務所名特定するとかダメ、絶対。特許事務所歴通算8年半。出願ソフトオペレーション業務/国内・国際事務/調査/特許実明細書チェック/図面加工(イラストレータ)/商標/広報/ウェブ担/補助金申請/営業に至るまでどこのポジションでもだいたい対応できるオールラウンダーです。(こんだけいろいろできるからさ、もう少し¥UP希望)
さて、先日は商標ではありがちな
「前によそで頼んだけど商標とれなかったけど、あきらめきれないので再チャレンジしたいのでよろしくお願いします。」
のオシゴトがありました。
拒絶査定になって時間がたつと、出願人名で検索してもでてこないため「願番」が必要になります。お客様に「前の出願の書類はないですか、せめて出願番号だけでも分からないでしょうか?」とお尋ねしますと、今わからないので、前の事務所に聞いてきますとのお返事をいただきました。
その後、お客様から、「前に依頼した事務所からのメールを転送します。」との一文が添えられた、転送メールが届きました。
以下、特定されない範囲でコピペします。
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●●●●様
お世話になります。
ご確認お願いします!「今までトライしてダメだったデータ」につきましては下記のURLから情報を入手することができますので、そちらをご覧下さい。
(1) ○○○○A (商願2017-XXXXXX )※願番は筆者追記
出願した商標の公報のリンク先
(2) ○○○○○ (商願2018-XXXXXX) ※願番は筆者追記
出願した商標の公報のリンク先
弊所での手続データ自体はお渡しすることはできかねますので、上記の情報でご勘弁ください。
以上、よろしくお願い致します。
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おわかりいただけたでしょうか。
第1出願 商願2017-XXXXX と 第2出願 商願2018-XXXX は、リンク先をクリックして、「経過情報」から書類を取り寄せることはできません。
さらに問題なのは、クライアントが求めているにもかかわらず、
弊所での手続データ自体はお渡しすることはできかねます
と言って、拒絶理由通知・拒絶査定を渡そうとしないのです。これはさすがに業界的にもマズい対応ではないでしょうか?
幸い願番は特定できたので、こちらで包袋を取り寄せました所、衝撃の事実を発見しました。
最初伺っていたのは、○○○○と○○○○Aで出願してダメだったという情報だけだったので、当然、同じ出願日だと思い込んでいました。
ところが、拒絶理由通知を読み解いていきますと、
○○○○○A が A●●●●● という別の商標によって4条1項11号で拒絶理由となっていました。意見書で十分対応できる内容と思われましたところ、放置。さらに、あろうことか、「出し直し」でAを今度は引例にされないように○○○○○で出願していました。
オチは分かりますでしょうか。
○○○○は一般名称であると第2出願の拒絶理由通知には記載されていました。3条1項3号です。
第1出願で意見書を提出すればおそらくは4条1項11号をクリアできたと考えています。
現在第1出願から2年半が経過しています。
なぜ、こんなにも雑な対応しかできないのでしょうか?
よその事務所を積極的にディスろうとは思いませんが、この対応は業界的にとてもまずいと思います。弁理士業界全体の信頼を損ねていると思います。
これは仕事とは言わない。一人先生事務所のようですがこれはさすがに目に余ると思います。
お客様はチェーン店を展開される計画があり、早期に商標の取得を実現したいとお客様が希望されています。
今度こそ、満足していただける結果ができるよう、下調べ、準備は万全に進めていきたいと思います。
お客様からのヒアリングなど細かい調整がよい結果につながると信じています。