うつくしが丘の不幸の家 町田そのこ
第一章 おわりの家
・いつだってそういう強い言葉だけが独り歩きするのよねぇ。(P24)
・たったそれだけ。そういうことって意外と多いのよねぇ。一生乗り越えられないだろうと思っていた問題だって、あるとき急にぱっと拓けたように解決する事だってある。それって見る角度とか自分の心持ちとか、こんなことで?って笑えちゃうような些細な理由だったりするの。(P25)
・やだわ、一体誰がそんな無責任な噂を流すのかしら(P29)
・誰にどんな事情蛾あるのか、どんな理由でそうしたのか、そんな事は簡単にわかるものじゃないのよ。自分がまずたくさん経験する事、そして何度となく想像をめぐらす事でようやく、真実の近くまで巡りつく事ができるの。それを怠ってる人に、そういう適当な事を吹聴されたくないわ!(P30)
・しあわせなんて人からもらったり人から汚されたりする物じゃないわよ。自分で作りあげた物を壊すのも汚すのも、いつだって自分にしかできないの。
他人に左右されて駄目にしちゃうなんて、もったいないわ(P30)
きっと大丈夫です。しあわせの場所にしていきます。(P43)
第二章 ままごとの家
面倒を見てもらえるということは、本音を言うと嬉しいです。不安がぐんと減ります。
でも親になるってそういうことじゃないってあたしは思うんです。
自分の勝手で背負ったものは自分が責任持って背負って歩くべきです。
そりゃあ、どうしても親に一緒に背負ってもらわなきゃいけないときもあるかもしれない。でも、最初からそれをあてにしちゃだめだと思う。(P76)
親のお金で生活しているあんたはまだ子どもだよ。自分の勝手で子供作って、産み育てるって決めてもなお子供であろうとしちゃだめだ。(P80)
意見のすれ違いも乗り越えられる夫婦になりたかった。(P82)
ひたすら検のある言動に耐えて仕事を続けるのは難しい。理由さえ分かれば歩み寄れるかもしれない、と考えただけの事だった。
だけど中畑は叶枝が楯ついてきたと騒ぎ、涙まで流してみせた。
店長が「高原さん、どんな言い方をしたの?」とため息を吐いていった時、ぷつんと何かが切れた。(P133)
トイレくらい勝手に行けばいいじゃない、そういいかけてはっとした。
そういえば、響子はいつも自分の行動を大人に伝えてから動いていた。何をするにも、許可をもらっていた。(P134)
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