子どもたちと子どもだった人々へ vol.4 日本の童謡 2024/10/31
この歌は四番まであるが、最後まで聞いて記憶している人がどれくらいいるだろうか。わたしは今回、はじめて最後までちゃんと聞くことをしたと思う。
もちろんこの歌は有名だから知ってはいたが、一番がもっとも印象に残っていて、二番以降の記憶はなかった。
姐やというのが、お姉さんを意味しないらしい。子守の女中のことだそうである。
つまり一番で、背に負っていたのがこの女中のように解釈できる。この女中が十五で嫁に行ったため、少年の元を去り、女中の里からのたよりも来なくなり、あの女中は、記憶の中の存在となったのだろう。それで、いつの日か、まぼろしか、となる理由がわかる。
そして四番で、回想している現在の詩人の目線になり、眼前にとまっている赤とんぼを見ている姿が示される。なるほどこの赤とんぼを見て、過去を回想していたのか、となるわけだ。四番まで聞いて初めて、ストンと落ちる構成なんだ。
訳すに当たって、新たに受身形について学んだ。初級のテキストには載っていない知識だが、難しくはない。いい機会となった。
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