原稿テンプレw

「キャラクター」と「設定」を別々に考えると物語は失敗する

専門学校で時々授業をしています。
元々僕も専門学校出身なので、これまでデビュー前の漫画家志望者の作品は数十作読んできました。

多くの漫画家志望者がやりがちな失敗は
設定を描きすぎてキャラの魅力が死んでる」という部分です。

おそらく多くの人は物語を作るとき、設定から作り出すと思います。
「名前を描いたら死ぬノート」とか
「5つ子の家庭教師する」とか…
(これらの作品が設定から作り出されたかはわかりませんが)

そしてキャラ表を書いたりする人もいるでしょう。
僕は全くと言っていいくらい書きませんが、有名な漫画家の方でかなり書き込む方もいるので 書いたほうがいいのかも…😀

ただこれらの「設定から作る」「キャラ表を書く」時に危険なのは、
設定とキャラを別々に考えてしまうことです。

この記事では
設定は「世界観や出来事」、キャラは「性格や魅力」だと思ってください。

誰もが一度は見たことあるであろう「名探偵コナン」を例にします。
コナンの設定は「探偵」「事件」
キャラは「見た目は子供、中身は大人」という感じでしょうか。

コナンは推理物で、毎回複雑なトリックを使った事件が起こります。読者は犯人が誰だろう?と予想しながら読みます。

でもコナンの映画を見終わった時、
「まさかあいつが犯人だったとは!すごい事件だったなー」という会話をする人は、おそらくあまりいないのではないかと思います。

では何の話をするかと言うと、
コナンのサッカー技術や「あれれぇー?」というリアクションについて、
蘭姉ちゃんの戦闘力が高すぎる、
安室さんかっこいい!!

こういう会話だと思います。あんまり事件の話を深くすることはないのでは?

それは事件が印象に残らなかったからではなく、
物語が「事件と一緒にキャラの魅力を引き出すもの」だったからです。

多くの漫画家志望者がやりがちな失敗は、
コナンの事件部分にフォーカスを当てすぎてしまうことです。
本当はコナン達キャラクターの魅力を引き出す道具として事件があるのに、事件の説明だけ長々としてしまう。

「とはいえ説明しないと事件内容が薄っぺらくなってしまう」と思うかもしれませんが、大事なのはキャラの魅力を出すのと同時に事件を進めることです。
そのキャラ独自の行動・言動が事件解決に繋がれば、事件の進行とキャラ立てが同時に行えます。
事件のページを減らすのではなく、キャラの魅力と同時に見せるんです。

今回はコナンを例に出しましたが、これが剣と魔法のファンタジーでも同じです。
伝説の剣の説明を何ページも話されても退屈ですが、
その剣について興奮しながらしゃべる少年、その剣を憧れの目で見る少年の姿を描けば、
剣の説明と少年の熱い純粋さを同時に伝える事ができます。
そんな純粋な少年を眺める幼馴染の少女がいれば恋模様も同時に描けるかもしれません。

同時に描くと濃い内容でもページ数が少なく収まります。
逆にページ数が増えてしまう人は、設定とキャラが噛み合ってないかも?と疑ってみるのもいいかもしれません。

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