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こよみだより ✽ 元旦 ✽



新しい年を迎え
みなさまのご健康とご多幸を
お祈り申し上げます。



 🐰 



こよみだより 元旦


令和5年の元旦を迎えました。
一年のはじまりである1月1日は「元日がんじつ」、元日の朝が「元旦がんたんです。

新しい年は、元旦に 歳神様がつれてきてくれるもの。昔の人は、そう信じていました。

お正月は、その歳神様を祀り、五穀豊穣や家内安全を願うものです。ですからお正月のしきたり一つひとつに、歳神様が大きくかかわっています。





❍ 歳神様は門松を目印にやってくる

歳神様は古来、松の木に宿ると考えられていました。
門松は、その歳神様が迷わずにいらして頂けるようにと飾るもの。歳神様への案内役というわけです。

門や玄関に向かって左側に雄松おまつ、右側に雌松めまつを飾ります。
比べてみて松葉が太く長いのが雄松、逆に細くて短い方が雌松です。


3本の竹を松で囲むのが正式


❍ 鏡餅は 神さまの依り代よりしろ

門松を目印にやってきた歳神様は、鏡餅に宿ります。
「鏡餅」の名は、丸いお餅が 神事に欠かせない鏡に似ている(鏡にみたてられている)ことに由来しており、神さまのために特別につくられるお餅です。文献には、鎌倉時代から出てくるそう。

鏡餅の飾り方については ここでは省略しますが、用いるものそれぞれに長寿や繁栄などの願いが込められています。


加えて和食の土井善晴先生によると、お正月のためにくお餅は、もち米を一度つき殺し、うすの中で新しい命を蘇生させるものなのだといいます。

元旦は、全てのものが生まれ変わるとき。この世のすべてが新しい命をもつと信じられてきたときです。
お餅には、お正月の再生の意味が込められているのですね。


❍ おせち料理とお雑煮は、神さまと一緒に

「おせち料理」は、歳神様のためにつくったお料理を、人間も一緒に頂くもの。
また「お雑煮」はもともと、歳神様にお供えしたお餅や供物を下げて、それらを一緒に煮たものでした。これもやはり、神さまと一緒に頂くものです。(神人共食)
いずれもハレの日のお料理で、元来は、お正月に限定されたものではなかったそうです。


❍ お年玉は 歳神様からの贈りもの

また「お年玉」は、歳神様が宿っていた鏡餅を下げて、年少者に分け与えたことから始まったものです。
お年玉の語源は「歳魂としだま」。神さまの依り代である鏡餅には、そのが宿ると考えられていたからです。




と、これだけ並べてみると、新年を迎えるということは、日本人にとってとても大切な節目の神事だったのだと改めて思います。

お正月のしきたりは、もりだくさん。
おしゃべりな私は、ほかにもまだまだおはなししたいことがありますけれど… 今日の写真の補足をして、おはなしの続きはまたいつか綴りたいと思います。




和菓子は、山種美術館 Café椿から持ち帰った『めで鯛』。(菓匠「菊家」製。)
鎌倉彫「山水堂」さんで一目ぼれした銘々皿にのせました。



うさぎの箸置きは、京焼です。
そうそう、お正月には祝い箸(柳箸)を




改めまして
これをお読みくださいました みなさまにとりまして
2023年が豊かなお年になりますように!



本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。








今日の内容のいくつかは、昨年のお正月にラジオでおはなししたことと重なります。もしもラジオをお聴きくださり、覚えてくださっている方がいらしたら、重なってごめんなさい。



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