ニホンアマガエル、つくしを迎えた日のこと ~カエル日記#3~
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友人が運搬用に持ってきた小さなケースから、私が準備したケージにつくしを移した。
ただ、今振り返ると、どうやって移したか思い出せない。
というのも、私はそれまで生きたカエルを触ったことがなく、カワイイと言いつつ、飼い始めてからしばらくは怖くてつくしに触れなかったのだ。
噛みつかれると怖い、とか、何かされるのではないかと怖い、とか言うことではなく、どう接したらよいか分からず、慣れていなくて怖い、という気持ちだった。
大きなおうちに移動したつくしはケースの中をパトロールするかの如く、上から下、右から左、と動き回っていた。そして、最終的に水草の中に身を落ち着かせた。まるで、私に見つからないように隠れているようだった。
そんなつくしを眺めながら思った。
ここへ来たからには、誰かに食べられてしまうことはありません。寒さに凍えることも、乾燥にあえぐこともないように、そして食べ物に困らないように、育てます。
だから、安心してください、と。
そんな私の気持ちもつゆ知らず、つくしは私に見つめられて居心地悪そうに、水草の中から出てくる気配もない。
あまりにもじっとしているので、「生きている?」と心配になったが、喉のところがペコペコと動いているので死んではいないのだろう。
あまりにも、喉のところがペコペコし続けていて、今度は「このペコペコは大丈夫なのだろうか?」と心配になった。
調べてみると、呼吸をしている証拠だと分かった。
カエルは、『口から吸い込んだ空気をいったんのどの袋にためてから、鼻を閉じてこの空気を肺に送り込んで呼吸』する、という。(龍角散ホームページより)
今、この時を、同じ空間で、同じ空気を吸いながら過ごしていると、なんとも言えない気持ちになった。
不思議なことに、こんなに小さくても、生き物が同じ空間にいるというのは、一人でいるときとは違う、「誰かと一緒にいる」感じだった。
それは、「誰かが一緒にいると頑張れる気がする」という心強さでもあり、これからどんな日々を一緒に過ごしていくのだろう、というワクワクした気持ちでもあった。
結局、その日私が起きている間、つくしはずっと水草の中に身を潜めていた。
カエルに慣れていなくて怖くて触りがたい、と私が感じている限り、つくしも同じようにこの場所がそして私が怖いと思っているかもしれない。
カエル飼育のポイントとしてネットで学んだ情報によると、カエルは犬や猫のように人に懐くことはないが、慣れる、とのこと。
カエルのことをもっと知って、つくしの居心地の良い場所を作れるように努力しようと、改めて思った。
そして、つくしが、このおうちに、そして私に、いつか慣れてくれますように…
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