最近の記事

FLIP THE CIRCLEによせて

私がまだ幼かったころ、地元に小さなサーカスの劇団がやってきて観に行ったことがある。空中ブランコや玉乗りなどのアクロバット、ユーモアの溢れる動きやコミカルな演出でその場を盛り上げていたピエロ。目の前の観客を笑顔にして、公演が終わればまた次の町に笑顔を届けに行く。INIの三度目となるツアー「FLIP THE CIRCLE」は、どこかそのことを思い出させました。 この文章はツアー全体というより気持ちをおおきく揺さぶられた箇所のことを書く流れになっています。 ⬛︎距離感 6枚目の

    • そこにいたって会いたいよ

      それは気持ちよく晴れた夏の日で、私はINIの6th Single 「THE FRAME」の特典会に参加するために会場へ向かう電車の中でスピッツの放浪カモメはどこまでもを聞いていました。 大切な日に耳にいれる音楽にはいっそう気を使いたいタイプの私が普段好んで聞いている柔らかいスピッツではなくロックサウンドの曲を選んだのは、会場に近づくにつれどうしたって早くなってしまう鼓動を味方にしたいと思ったのと、緊張と不安ですっかり糸が絡まってしまった頭の中をストレートな歌詞でほどいて欲し

      • ウエディングによせて

        匠海くんは納得のいくものしか見せたくない人という印象があります。 年始に出演した番組で「楽しくやっていれば120点がとれる人なのにちゃんと100点だったかどうかを気にしてしまいがち」と占い師に言い当てられたことを受けて、本当はきちんと準備をしたいけれど限られた時間の中で仕上げなければいけないことも多く、それが出来なかった時の気持ちの折り合いの付け方が難しいのだということを後の雑誌媒体で教えてくれたこと。「グループの曲を1曲作詞する」という約束も、1曲まるごとやりたいというこ

        • 呪文

          「じゃあ……推しの名前を叫んで欲しい!」 READY TO POP京セラドーム公演2日目のMC中、こんなにたくさんお客さんが集まってくれたってことは何やってもらっても大丈夫ってことだよね?!という佐野雄大くんの前振りから客席へのお願いコーナーが始まりました。 これは、その時に話を振られた匠海くんが(おそらくその場で思いついて)言ってくれた言葉でした。 えっ その瞬間、特別な波動が私の全身に伝わっていきました。言うならば電流のように、一瞬で伝わっていきました。 匠海く

          MATCH UP雑感

          それは…………それは本当に素晴らしい体験だった。2月14日に発売されたINIの2ndアルバム「MATCH UP」は発売日よりも前に先行でデジタル音源のみ解禁されるいつものスタイルとは違ったため私はフラゲ日の朝からHMVで長蛇の列に並び、早く早くと急ぎ足で家に帰り、ブックレットを眺めたりするよりも真っ先に息を呑んでその再生ボタンを押した。こんなにワクワクしてCDそのものの楽しみ方を味わったのっていつ振りだろう?千円のCDを10枚買うなら一万円のCDを一枚買いたい人間なので、その

          MATCH UP雑感

          READY TO POP後書き

          終わらないでー!と何度も何度も願ったINI 2ND ARENA TOURが先日の大阪公演を持って一旦終了した。 7ヶ所15公演のうち入ることが出来た数はそんなに多くないけど、数を重ねれば重ねるほどINIのことをどんどん好きになっていって(前回のツアーのように徐々に良くなっていった、いうよりは最初からギア全開で一回一回がどかーん!!みたいな感じのツアーだったのもあり)抱える気持ちが大きくなりすぎて、ツアー前まではなんにも目指さない好きさでいられたはずなのに終演後もうどこの誰に

          READY TO POP後書き

          READY TO POP 雑感

          私にとってのINI 2ND ARENA TOURが宮城公演2日目に幕を開けたのでその話をします。 今年の頭に福フェスに行ったとき、終演後にSNSで流れてきた感想と自分の感想がまったく違ったことがあってその場にいないと分からないことが多すぎるのに一部の声の大きな誰かの発信がすべてになってしまうのがすごくすごく嫌で、自分の目で見たもの・感じたものしか本当の意味では信じられないんだなということを感じていた。だから今回のツアーも他人の感想に左右されないように、熱量を一切吸い込まない

          READY TO POP 雑感

          READY TO POP前書き

          6月13日に配信された結成2周年記念「INI 2ND ANNIVERSARY PARTY」にて二度目となるアリーナツアー開催が発表されてから初日を控えた今日までの日々は、あっという間だったな〜というよりもひとつひとつの出来事がたしかなものとして、自分の中に質量を持ちながら残っている感覚の方が強い。普段なら感想はライブ後に書くけど前と後の移ろい込みで楽しみたいので、推させていただいているマイ・ラブ尾崎匠海くんに対する今の気持ちをメモしておく。 ◾️キラキラについて 第二章の始

          READY TO POP前書き

          Onomichi

          初めて降り立った広島県尾道市が良い街で、良い街すぎたので少し文章にしてみる。 先月の終わりに応援させていただいているアイドルグループ「INI」のメンバーであるフェンファンくんがFC限定ブログやラジオ番組の中で尾道へのひとり旅のお話を聞かせてくれたことがすべての始まりで、とても良い時間を過ごせたことがわかり私もいつか必ず訪れようと決めていた。フェンファンは写真集の個人インタビューの中でも「元気がない時はどうするか」というような問いに「水があるところにいく」と答えていて、そのこ

          Onomichi