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2023/12/25 銀杏BOYZ

あんまり記憶がないけど、消える前に書き残しときます。大まかなライブレポです。


 それはそれは自分が観てきたライブの中で1番美しくて儚くて汚いライブだった。おそらく人生で1番刺激的な夜だったに違いない。あのライブハウスでの会場の熱気はとんでもなくて、全員が今にも救いを求めるかのような顔をして峯田に飛び込んで行った。峯田もそれに応えるかのように唾を吐きケーキを投げ、フロアに飛び込み、ギターを振り回し、これでもかと表現していた。

 この童貞たちのクリスマス・イブというイベントはイノマー×ミネタpresents、要するに銀杏BOYZ×オナニーマシーンの対バンイベントとして2005年から不定期で開催されているイベントである。知らんけど

 もうこのイベント、本当に憧れだった。なぜかっていうとー。遡ること3年前、大学の軽音サークルで先輩が銀杏BOYZのコピバンをしているのを観て銀杏の虜になった自分は、狂ったように銀杏BOYZを聴きまくり、そこからGOING STEADYを知った。その後、自分もコピバンをしようと思って初めてギターを持って歌ったのがGOING STEADYでしてね。その時YouTubeでゴイステの動画を見まくっていたわけなんですが、あるお気に入りの動画の会場が渋谷ラママでの童貞たちのクリスマス・イブというイベント。その憧れの渋谷ラママでの童クリといったら、自分が喉から手が出るほど行きたかったイベントになるわけです。しかし、イノマーさんは既に亡くなっていてもう一生行けることはないと思っていたのですが、急遽1ヶ月前に開催が決定。もちろんチケットは争奪戦になり、ネットによる抽選ではなく、コンビニで決まった時間に早く発券した者勝ちだったので、サークルの打ち上げを抜け出して梅田のファミマで今か今かと時計を見ながら発券。本当に嬉しかったなーあのとき。

 当日の話をしよう、その日は前日の夜から朝までクリスマスを過ごしてから早朝にバスに乗り、16時着の新宿に向かった。そこから会場の渋谷まで電車で移動、すでにソワソワしていた。開演前の物販でお目当てのtシャツを購入。まだまだ開場まで時間があったので暇つぶしのためにパチンコ屋へ避難。もちろん集中できるわけもなく、気がついたら先ほど使ったグッズ代+お菓子2000円分ぐらい稼いでヤクルトを飲み干しながら会場へ走った。会場へ着くと当たり前にライブ前という雰囲気で、紙チケットを持った人が、今か今かとスタッフから呼ばれる整理番号に耳を傾けていた。整理番号は早かったけど遅刻した自分は160番あたりで入場。まるで高校の部活の引退試合かのような緊張感で階段を降りると、教室2つ分ぐらいしかない広さのフロアに愕然とした。本当にこんな狭い会場で峯田を見ることができるんだと胸がドキドキ。そこからライブが始まるまで何をしていたかは覚えていない。

 そしていよいよフジジュンの前説でオナニーを大声で連呼させられた後、峯田登場。渋谷ラママは柵の高さが腰のあたりで、ステージも段差が高くないので、本当に目の前に峯田和伸が存在していた。既にモッシュでぐちゃぐちゃになったフロアで2.3列目を確保。月や星は手を伸ばしても届きそうに絶対に届かない。しかしこの日の峯田は1.5メートル前、手を伸ばしたら届く距離にいたのだ。何の曲から来るんだ〜とワクワクしたのも束の間、峯田がマイクを握って「クラッシュ・キル・デストロイ」と叫んだ。スピーカーから聴くよりも先に峯田の叫んだ声が直接耳に入ってきた。その瞬間、全身の毛が震えたつと同時にとんでもなくフロアが入り乱れた。お気づきかと思いますが1曲目は「SKOOL KILL」。本当に大好きで愛している曲。大好きなあの娘と、ただ一緒にソフトクリームが食べたいだけの男の子の曲。でもその子はストーカー気質で、変態で、あの娘にちょっかいをかけるサッカー部やあの娘のおしりの辺りに手を当てるおしゃれ野郎が許せない男の子。でもその男の子はソイツらを殴れるわけでも怒れるわけでもなく、どこにも向けることのできない怒りとショックの衝動でCDを盗んじゃうような弱い男の子。本当にあの娘が好きで好きで涙を流しちゃう可愛い男の子でもある。だって"悲しい事件や争い事が世の中いっぱいあるけど君がそばにいてくれたらもう平和"なんだよ。男の子は大人になって今頃ちゃんと好きな子と過ごせているかなー。自分は男に生まれたから分かるんだよなーこの気持ち。俺も本当に意気地なしで惨めで弱っちい男の子だったから、好きな子に対して何があっても口には出せなくて心の中に喜怒哀楽を閉じ込めてたもん。だからどうしてもこの曲を聴くと走りたくなる衝動が全身を駆け抜ける。

 そんなことは置いといて一旦ライブの話に戻すと、峯田はこのSKOOL KILLを歌いながら、なんとホールケーキを丸々投げてきた。それは一個なんかじゃない、次から次へとスタッフがホールケーキを箱から出し、峯田に手渡ししたりJCアンプの上に置いて準備したり、10個はぶん投げてたと思う。もちろんフロア前方はケーキまみれ。前の人の髪の毛にも後ろの人の体にも床にもケーキが散乱し、もちろん自分も峯田にケーキをぶち込まれた。これはライブなんかじゃない、イノマーに捧げる祭典なのではないかと勘違いした。正直もうこのライブ、アドレナリン出まくりであんまり覚えてない。夢の中に閉じ込められていたような感じ。

 そして2.3曲目は「若者たち」と「駆け抜けて青春」。銀杏といえばこの2曲でばーーっとエンジンがかかる。スクキル、若者たち、駆け抜けてときたら死んじゃうよ。もう峯田もフロアに身を投じ、後ろからも人が雪崩のように降ってくる。床はケーキのせいかヌメヌメで滑りながらも全身で声、音、空気、全てを感じとる。耳をつんざくような轟音で本能を駆り立てる。死んでしまってもいいと思うぐらい気持ちよかった。4曲目は「惑星基地ベオウルフ」。クリスマスだからやるとは思っていたが、実際初めて生で聴くととんでもない。自分がその曲の主人公になったかのようだった。クリスマスイブの日はあの娘が隣にいてくれたらなぁ。続く5曲目は「アーメン・ザーメン・メリーチェイン」。ふたりで街を出て、ふたりで間違えたいな。ぼくが生きるまできみは死なないでください。そんな気持ちを持ちながらも、この人が最後の恋人だからと毎回思ってさよならしてしまう。神様、永遠の命より永遠の愛をください、とでも言えばいいのだろうか。もう朝7:30で頭回ってないです。

 続いて6曲目は死ぬほど聴いてきた「夢で逢えたら」。この曲、俺の曲です。もう、銀杏を知った当時は頭が痛くなるほど好きな子を思って聴いてた。でも季節は回って、夢で逢えたらいいなと思う人は変わったよー。名前をつけて保存ってやつだ。次は「いちごの唄」。いつかの誰かが"寂しくなるのはあなたを知ってしまったから"っていう歌詞が好きーって言ってたな。たしかに、あなたを知らなければ寂しくなることもないもんなー。峯田は今まで出会ってきたどの人のことを思って曲を書いてるんだろう。そう思いながら歌っている峯田を眺めてた気がする。そしてお待ちかねの「BABY BABY」。冬だから街にはイルミネーションの灯りが点き始め、恋人たちが身を寄せ合う姿を頻繁に見るようになってた。この会場くるまでもクリスマスだからか、やけに恋人たちが手を繋いでたな。てかこのイベント、童貞たちのクリスマスイブって名前よ?対義語は恋人たちのクリスマスなんじゃね。そんなのはどうでもよくて、本当に死にたくない。永遠に生きられるだろうか、永遠に君のために

 最後に「少年少女」「DO YOU LIKE ME」を演奏して銀杏BOYZは終了。まさにとんでもないライブだった。しかもこの後、オナニーマシーンがあるってのに。もちろんイノマーさんは亡くなっているので、最初は2人で演奏してた。そっからまさかのピーズのハルさんがイノマーさんのベースを持って演奏。気づいたら峯田も合流。みんなでオナニーマシーンを熱唱しました。ちなみにオナニーマシーン、バンド名はほんと中学生が考えたみたいなアホな名前してるけど、曲は最高なんよー。とりあえず「ソーシキ」聴きましょう。イノマーさん、あの世であのコでオナニーしてるんかな。

 終盤はもう峯田、ハルさん、オノチンが全裸でち○こ丸出しでライブ。こんなの許されるんですか。もう本当にその瞬間だけは出演者も観客も青臭い青春時代に戻ったかのような、そんな夜を過ごしました。オノチンの大根をピックかわりにしてすりおろして引いたりとか、ティッシュタイムとか、夢のようなイベントでした。帰りの夜行バス、ケーキ臭いまま乗ってごめんなさい。忘れることのない2023年のクリスマス。今年は更新するよ。

 思ったことそのまま直さず書いてみた。
午前8時、眠りにつきます、メリークリスマス。

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