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フォトグラファーが生き残るみちはこれしかない。

COVID-19ショックがあるなしに関わらず、というか、むしろこの出来事でいままでおぼろげながら見えていた僕たちフォトグラファーの未来像がはっきりと姿を表したように僕には感じます。

この記事ではフォトグラファーが生き残るためにとるべき道を僕なりに考察してみたいと思います。

■生き残れる人材の前提条件
まず、前提条件としてITスキルは必須です。ここでいうITスキルとは、パソコンでエクセルやパワーポイント、ちょっとした画像処理ができるといったたぐいのことではなく、インターネットのビジネスやトレンドを理解してそれに合わせて自分を最適化していくことができるかということです。

今後はほぼすべての分野がウェブ上で展開されるようになると予想できます(というか、今後加速度的にそうなっていくと思います)。一部の業種業態を除いては、このインターネット上でのビジネスをいかに展開できるかがフォトグラファーとしての生死を分けると本気で思っています。

以下4つのポイントを述べたいと思います。

1.自分ブランドの確立→差別化、セルフプロデュース
フォトグラファーが生き残るためには、自分をきちんとプロデュースしてブランディングしていかなければいけないですね。

ここで海外の状況を見てみると、そもそもフォトグラファーという職の立ち位置が日本とまったく違い、明確にアーティストの分類に入ります。

これは考えてみると当然で、計算やロジックといった論理で結果を出す仕事と違い、フォトグラファーは自身の感性とスキルの仕事なので、そこには多かれ少なかれフォトグラファー自身の価値観や美意識が反映されます。当然100人100通りの違いが生まれるわけで、その違いをいかにクライアントに訴求できるかが直接ビジネスの成否に関わってきます。

その部分でいうと、ミュージシャンや音楽家に近いかもしれませんね。究極的には唯一無二でなければならないという事かもしれません。

ということは、他との差別化(=ブランド)こそに価値があるので、逆にそれができないと存在意義そのものが危ういビジネスとなります。

翻って日本はどうかというと、古くは師弟制度的な業界で、特に写真館などは親方的なカメラマンが弟子に脈々とその「正しい写真の撮り方」を受け継ぐような時代が長く続いてきたので、「正しい写真」の撮り方や「正しいライティング」の組み方などという幻想が根強い概念として残ってきています。

でもこれは現代においては本当に時代遅れ、というか、アートという考え方からするともとからナンセンスなのです。写真はもっと自由であるべきだし、それぞれのスタイルを確立すべきだと思います。

SNSの時代になり、写真が爆発的に共有されるようになった現代では、日本でもデジタルで様々な「スタイル」の画像を発信が可能になり、独自のブランドを築いているフォトグラファーが(または元来フォトグラファーですらなかった人が)一気に注目を集め、仕事として撮影を請け負う状況になっています。

これは冒頭で述べたとおり、差別化できたからこその現象で、言い換えると自分をブランディングできないともはや一人のフォトグラファーとしての価値は限りなく低くなってしまっているということだと思います。

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2.発信者→ファン獲得、影響力最大化
さて、生き残るフォトグラファーの条件その2は、発信者となるべきということです。上記の日本独自の「カメラマン」文化が根強い(40〜50代)世代では良い写真を撮れば自ずとクライアントも納得し、仕事も増えるという考え方の人が多いですが、今は本当にそんなことはないですね。

というか、そういう考え方がつづいてきた結果、日本写真業界の縮小を招く一因となっていると考えています。

写真撮影において特にオリジナリティがあり、かつクオリティーの高い写真を撮るには高いスキルと感性、努力が必要不可欠です。それを適切に人に伝えなければそもそも専門ではない人がその写真の価値をリアルに感じる判断基準すら持ちえないと思います。

目の前の赤いリンゴが赤いと認識できなければ、黄色いリンゴと比較できないように、その写真を撮るためにどのような背景、努力、スキルが必要だったのかを発信せずにその写真の価値をあげることは難しいのではないでしょうか。

ということで、フォトグラファー自らが発信者となりしっかりと自分の価値を人に伝えていくべき時代だと思います。

幸いSNSの発達で以前とは比べ物にならない多くの人に、ほぼゼロコストで発信することのできる世の中にいます。YouTubeをはじめインスタグラム、最近ではTikTokなどチャンネルも増えてきました。効果的にそれらを使い、ファンの獲得と影響力の最大化につとめるべきです。

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3.独自商品→外注からの脱却、利益率アップ
僕らフォトグラファーは、基本現場で撮影してそれを納品することで仕事が完結しますが、それは言ってみれば業務委託の形式で、収入のチャンネルは取引のあるクライアントの数でしか増えない構造です。

そして、これはオンライン化しずらい業務形態と言わざるをえなく、社会が非接触(三密を避ける)方向へシフトしている中ではかなり不利な状況です。

では、この転換期を1フォトグラファーとしてどうサバイブしていくか。それは、自分独自の商品・サービスをパッケージ化して販売していくことが有効だと思っています。

多くの「カメラマン」が何らかの形で外注受けの撮影をしていると思いますが、それはクライアントの状況に依存している状態なので、仕事単価の決定権は明らかにクライアント側にあります。

すでに業界では価格破壊が起こっていて、どんどん仕事の単価が下がっている状況でだからこそ、昨今のフォトグラファーマッチングサービスも乱立してきているのではないでしょうか。

それを打破するためには、自分のスキルの棚卸しをし、ターゲットとする顧客に販売できる高付加価値商品を開発していくべきと考えます。

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4.仕組み・ビジネスモデル→オートメーション
3で築いた独自商品をさらに一歩進めて、販売の仕組みまでも自分で構築できれば最強です。よくプラットフォームビジネスと言いますが、大規模ではなくてもある程度のビジネスモデルを作り、オートメーション化をすすめられれば、自分はさらに次の商品開発にリソースを費やすことができるようになります。

これも海外の例ですが、アメリカのトップフォトグラファーたちはすでに自分のプラットフォームを持っている人が増えています。

自分のオンラインサロンやワークショップ用のポータルを持っていたり、スキルアップ系のビデオを販売したり、もちろんプリント販売もしていたりします。

彼らの多くは非常に効果的にSNSマーケティングを行い、たくみにクライアントに訴求、価値の提供を行っています。ある意味フォトグラファーではなく敏腕ビジネスパーソンですね。

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5.世界へ向けて
写真というメディアは元来日本独自のものではなく、どんな場所でもビジネスができる可能性を持っています。そういう意味では、むしろ今はしっかりとした大局観と戦略をもって我々が行動できればマーケットは無限に広がっていると思います。

自身の価値を見つめ直し、ブランディングによってファンを獲得し、付加価値の高い商品を提供できるビジネスモデルを構築できればこの先も生き残れるフォトグラファーであり続けることができるのです。

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