ZOOZ四方山噺/2023.05.26 CRAZYMAMA 2ndRoom
[1]誕生日は孤独
疲れた体をぐいと起こすと強打して顔に傷を作ってしまった。そうだ、ここはネカフェだった。岡山でZOOZのライブが終わり、そのまま神戸へ運んでもらった僕は、誕生日だというのにそのままネカフェへ滑り込んで横になっていた。
我儘というのは時に暴力になる。なぜか起き抜けの頭でそんなことを考えていた。こうやって好きに生きていて自分の顔を強打するくらいならまだ良いだろうけど、他人を巻き込んだ我儘にまで発展してしまうと、それはただの暴力になる、ネカフェではそういった我儘な暴力が横行していた。
[2]ゆっくり夜になっていく
岡山でのZOOZのライブ、とても楽しかったです。岡山という土地は、なんだか輪郭が曖昧というか、色んな人を受け入れる包容力があるというか、素直に心に入ってくる感覚になりました。なんだか僕が大学生の頃に、友達とウダウダしていると、ゆっくり夕方が夜になっていく、あの緩やかな時間の流れや空気感があるというか、素敵な時間でした。
ZOOZは一曲目から新曲を投下しました。初岡山なので、初めて披露する曲でご挨拶。まだ披露していない新曲が一体何曲あるんだろう。ともかく我々の良さをどう伝えようか、そんなことを考えていたような気がします。
16ビートはやおってどんなやつだ?とか、ZOOZ?お手並み拝見といこうか、みたいなピリッとした空気ではなく、凄くウエルカムな空気で、我々も安心してぶっ放すことができたと思います。
[3]uniTONE
uniTONEというバンドがいる。Emu sickSがお世話になっていたバンドだ。EIGHT BEATシャツの作り手がいることでも有名である。
そのボーカルのオオモリさんがライブハウスに一瞬顔を出してくれた。本当に忙しい合間を縫って、「ZOOZのライブは見れないんだけどごめんね」と、10分くらいの時間を作って会いに来てくれたのだ。思い返せば、そんな健気なことって僕にできるのだろうか。いつだって連絡を取ろうと思えば取れる時代に、わざわざ顔を出すという行為の愛おしさに後から震えてしまった。
人情というのは、体現するのが難しい。過去に、僕がドラマーとして活動していたEmu sickSがuniTONEの力を借りて岡山でライブをした時、お客さんを全然呼ぶことができなかったのに「出てくれてありがとな」と一万円を差し出してくれた。
勿論断ったのだけれど、それでも受け取ってくれと、気持ちが収まらないからと、最終的には半ば強引な形で渡され、Emuのメンバーと「これは使わずに取っておこうね」と話していたことを思い出した。
まだその恩も返せていないのに、僕は不義理だな、なのにこうやって気にかけ続けてくれて本当に感謝が尽きない。だから僕は、岡山という土地が好きなのかもしれない。
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