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ガストバーナー危険浪漫譚 / 2023.08.19→20 千葉稲毛K's Dream(MAGICツアー稲毛編)→池袋Adm(梅雨将軍)
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ガストバーナーはやっぱり変だ。ライブに全てのピークを持ってくるよう各々調整しているけれど、メンバーを眺めては「日常を生きにくいんだろうなー」と感じています。そういうムラがもう最高に面白いし生でライブする醍醐味なんだと思う。
何だか分からない感覚ですが、メンバーともっと仲良くなりたい、もっと知りたい、未来をもっと良くしたいという気持ちが尽きません。僕はメンバーでありながらメンバーでないというか、この変な人たちと一定の運命を共同する面白さをどうやって最大限に引き出せるかばかり考えています。
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K's Dreamというライブハウスはガストバーナーで初めて来ましたが、はるきちさん、加納さんの言う通り店長のタナカさんがぶっ飛んでいて最高で、ああこういう大人になりたいという自分の願望を集めて丸めて自立したような方でした。そんなぶっ飛んだライブハウスでするイベントが楽しくないわけがありませんでした。ありがとうございました。
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そのまま楽屋に泊まった我々。加納さんは車で一夜を。楽屋にはソファーが2つしかないのではるきちさんとりっちゃんに譲り、ボウリング場みたいな硬さの床で眠りにつきました。
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起きないはるきちさんを尻目に、早朝からりっちゃんとポツリポツリと、朝方らしいテンポで会話をしていました。メンバーの頭の中を駆け巡っていることを擦り合わせることが僕にとっては凄く貴重で、社会の規律と、メンバーの人生観や想像しうる明るい未来と不安と、自分の哲学を天秤にかけて「生きるってなんだろう」と終わらない問いばかり考えていました。
割り切ることのできない社会的な問題やつまらない常識は、大抵知らない他人の厚かましい欲望や排除感から生まれ出て、間接的に僕たちを苦しめている。そんなことを考えてコインランドリーで乾燥させたライブ衣装を取り込んで、池袋へ向かいました。
[3]
池袋Adm。梅雨将軍、つしまみれとツーマン。これまであまり公言していない後ろめたさもあるけれど、僕はつしまみれが好きで、相当この日を待ち望んでいました。憧れの人たちにドラム、ガストバーナーを見てもらいてぇ、という気持ちでした。
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大学生の頃、タワーレコードで買ったつしまみれのCDを大学の食堂で友達に見せびらかしていました。僕は「このかっこよさが分からないのは良くない!!!」と思い、そのままCDに同封されてたイベント参加券を握りしめて友達と難波ロケッツへつしまみれを見に行き、そのアグレッシブさにボコボコにやられてしまいました。その日はまりさんがギターを弾きたくりながらフロアに落ちてきました。
あれから14年も経っている年月にも驚きだし、しぶとくドラムを続けていた僕も僕ですが、同じく続けていたつしまみれのみなさんもあまりにも凄い。この日を迎えることができた奇跡の根源は、「しぶとさ」や「楽しいことにしがみつく執念」だったのかもしれません。
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そういう気持ちを秘めてライブでぶつかったので、その日しか出せないパワーをしっかり出せたような気がしています。終演後も打ち上げが楽しく、つしまみれを初めて見た大学生の頃に所属していたサークルのような賑やかさと無茶がそこにはありました。
どういった現実のなかでつしまみれのみなさんが生きているかまではその日のうちには分かりませんでしたが、こういういつまでも馬鹿をしながら弾ける大人になりたいと思っていました。
稲毛でも、池袋でも、素敵な人生の先輩に触れ合いながら、そしてメンバーと人生を共有しながらライブをしていました。
[4]
楽しさと引き換えに体を襲う猛烈な疲れに押しつぶされながら、名古屋でメンバーとも別れ、一人大阪へ帰る始発の近鉄特急でうとうとしていると、スーツ姿の男性が僕を叩いてきました。
「そこ私の席ですよね?なんであなたが座ってるんですか?」
ムッとしながら僕は自分の買った切符を男性に見せると、その男性は自分の席を間違って僕に声をかけたことに気づき、何故か大きな舌打ちしながら去っていきました。
この出来事で、僕はこの二日間が完結したと思いました。生きにくい社会は、こういう舌打ちの男性が形作っていて、僕達はそれと闘いながら自由に幸せに生きる道を探さなきゃいけない。たまたま相反する存在が、始発の近鉄特急でぶつかってしまったのでした。
MAGICツアーも、梅雨将軍も、これから起こる幾多のライブも、そういった世の中に蔓延る厚かましさからの自由を目指すものだと思っています。