第41話 座談会企画
アンケートの集計結果を配信してから1週間後
TK工房はメールを打っていた
宛先は金山舞。子会社に新しく採用された、やり手女子である。
部内報の新特集の一つ、若手座談会への参加を打診するもので、金山以外には同期の古瀬、一つ上の橋元と島村にも同内容を既に送信していた。
実は、アンケート集計結果を全員配信した翌日、また本社で陽川とばったり会い、そこでこんな会話がなされたのである
陽川「おぉー。お前あれ良かったぞ。」
TK工房「え?何がですか?」
陽川「あのアンケート集計結果の最後の問答集や。アホの松下の意見に対して、徹底的に論破してて、小気味良かったわ。ああいうアホには強く出なあかん。どうせあれから何も連絡来てへんやろ?」
TK工房「あぁ、あれですね(笑)僕もムカついたんで、丁寧に論破してやりました(笑)確かに電話とかかかってくるかな?って、ちょっとビビってましたけど、何もないですね」
陽川「ああいう奴は、初めにカマしてくるんや。それで相手の出方見よんねん。初めにビビってしもたら、そこで上下関係出来てまうからな。徹底的にやり返した方がええ。初めが肝心やねん」
TK工房「そうなんですね。とりあえず、やり返せたようで良かったです(笑)」
陽川「ほんで、結局どんな内容にするんか決まったんか?」
TK工房「とりあえず、新バージョン一発目なんで、改めて部内報の意義を冒頭で福徳本部長に語って貰おうかと思ってます。その他は、座談会シリーズを入れようかなと。第一回は若手か中堅か、まだ決めかねてますが。」
陽川「中堅なんかおもんないし辞めとけ。この会社の中堅なんてロクなやつおらん。どうせ上の目を気にして、当たり障りのないしょうもないことしか言わんやろ。若手でやれよ。金山貸したるぞ。あいつは空気読まんし、うちの奴らにはちょうどええんちゃうか」
TK工房「ほんまですか?じゃあ、若手座談会にしますわ。ありがとうございます!後は僕と古瀬を呼ぶとして、一個上で誰か声かけようかなと思うんですけど、おススメな人いますか?」
陽川「建築の橋元と、技術の島村あたりがええんちゃうか。あいつらはなかなかオモロイと思うよ」
TK工房「ありがとうございます。早速声かけてみます」
と、こんな調子でトントンと若手座談会をやる方向に決まった
金山にメールを送信し終わり、時計を見ると9:55になっていた。
(お、もうチャンスジェネレーションが来る時間やな。先にトイレ済ますか)
TK工房「村田さん、10時からチャンジェネが来るんですけど、僕ちょっと席外すんで、もし内線かかってきたら待たせといてださい」
村田「はーい。チャンジェネ来るとか珍しいね。打ち合わせ?」
TK工房「はい。今回、大幅に刷新するのと、新企画で座談会やるんですが、手伝わそうと思いまして。」
村田「へぇ。別に今まで通りにやればいいのに偉いねぇ。」
なんとも皮肉たっぷりのコメントだった。
(まぁ、村田さん、一般職やし意識の低さもこんなもんなんやろな。)
続く
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