第37話 竹尾課長
TK工房「うちの本部のメーリスってあるんですか?」
竹尾「うん、あるけど何で?」
陽川にアドバイスを貰い、席に戻ったTK工房は隣に座っている上司の竹尾課長に話しかけた。
TK工房「あ、実は部内報に関して、事前にアンケートしようと思いまして、それをメーリスで送ろうと思ってます」
竹尾「アンケートって?何を聞くの?」
TK工房「今回、内容を大きく変えようと思っているので、そもそも皆がこの部内報に対して現在どう思ってるのかや、要望とかあれば知っておきたいなと思いまして。」
竹尾「本部長に相談したの?」
TK工房「はい。さっき、席にいらっしゃったので、お時間頂いて相談しました。」
竹尾「何で俺にも声かけてくれへんの?」
TK工房「え?」
(あんたが、"本部長に相談したら?"って言うてきたんやん。何を言うてんのこの人?)
竹尾「普通、仕事の話なら俺が上司でおるねんから、俺に一言声かけてくれんと。で、本部長はなんて?」
TK工房「あ、あの、廃刊するというのは基本ないので、みんなに読んでもらえる仕組みに変えるということであれば、是非どんどんやってくれとおっしゃってました」
竹尾「ちょっと待って、廃刊て何の話?」
TK工房「あ、実は陽川さんとたまたまこの話をしてたんですけど、廃刊も考慮して本部長と相談してみたらどうかと言われたので、それで相談しました」
竹尾「、、、ふーん。ほなアンケート作ったら事前に見せて」
明らかに不機嫌になり、PCに向かい直す竹尾
(え、なんなんこの人?自分では案も出さずに丸投げしてきたくせに、、、)
戸惑いながらも、席に戻る
気を取り直してアンケート作成に取り掛かった
冒頭に、今回内容刷新を検討していて、事前に社員の意識調査をしたい旨を記載。
質問は、
・現在読んでいるか?
・読んでいると答えた人に質問。面白いと思うか?
・読んでいないと答えた人に質問。何故か?
・今後どんな内容を希望するか?
・現在の白黒がカラーになれば読む気に変化は起こるか?
・PDF配信も検討しており、冊子自体はなくすこともありえるが、それについてどう思うか?
と、並べた。
「アンケートか?」
振り向くと陽川が立っている
TK工房「あ、はい。こんな感じで作ってみたんですけど、どうですか?」
陽川「質問内容はええけど、アンケートの基本として、自由記述はなるべく避けや。アンケートなんてもんは、そもそもめんどくさいもんやから、簡単に答えれる形式じゃないと答えてくれへんからな。ハイかイイエ。後は選択肢。そして、最後に自由記述や。」
TK工房「なるほど。わかりました」
陽川「ほな、俺戻るわ。またな」
TK工房「あ、三ノ宮ですか?お疲れ様です!」
陽川は後ろ姿で手をヒラつかせて事務所を出て行った
続く
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