シリアに行きたい君へ
少し前に、noterさんの中で、シリアに行きたいと書いてる人がいて、その内容に思うところがあったので書いてみます
名前も忘れたので調べられず
記憶を元に書くので、ちょっと詳細違うかもしれませんが
確か就職の決まっている学生だったか、新社会人くらいだったと思います
「順風満帆な人生を送ってきて、でも何か物足りない。
今戦争で大変になっているシリアに行って、人の死を目の当たりにしたい。戦争経験するっていうのは、やっぱり人生変わるっていうし、行くべきだと思うんだよな。でも日本人は今行けないし、どうしようかな」
というような、内容だったと思います
私は中東を担当していて
シリアも担当範囲であるので
君よりはシリアを自分の現実として感じていると思います
そんな私が君にアドバイスができることがあるとすると
君はまずシリアに行く前に
いや
世界に出る前に
日本で学ぶことがたくさんある
人の生死に触れる機会がないと感じているとしたら
君はまだ日本すら知らない
私は友人に、施設で介護士をしている人がいる
その人は非常に真面目で
毎日一生懸命お年寄りの世話をしている
それでも、毎日入居者は弱り
認知症が進み
そして毎月のように亡くなっていく
せっかく関係性が出来ても、それは長くは続かず
自身の無力さを感じ
よく泣いてました
友人として「それだけ一生懸命看てくれたんだから、絶対感謝してくれてるよ。会えて良かったって思ってくれてるよ」
と月並みな言葉をかけたけれど
「そう考えたとしても、目の前で仲良くなった人が弱り、亡くなっていくのを見るのは辛い」
と言われたのを思い出します
当然ですよね。
実際に現場にいるのは、その人で
私は何の関係もないただの部外者
また別の友人で大学病院のNICUで働いていた看護師がいました
NICUとは新生児に特化した集中治療室で
毎日のように、弱りいく新生児を担当し
1日でも我が子が長く生きて欲しいと願って毎日やってくる親御さんたちを見
自身も、なんとか容体が良くならないかと祈りながら
それでも、小さな命が毎月毎週のように亡くなっていく現場で
自身の精神をすり減らし、泣きながら頑張っている人でした
その人は
街で茶髪に染めた少年達がノーヘルで原付にまたがり蛇行運転しているのを見て
なんで貰った命を大切にしないんだろうと心から思うと言ってましたね
さて、何が言いたいかと言うと
君は日本で生きていて、こういった世界がすぐそこにあるのを知らないわけです
そういった命の現場で一生懸命人生を生きている人を知らないのです
もっとスリリングを!
と言って、原付にまたがる子供達と根本変わらないんじゃないかな
そんな君がシリアに行ったところで何も変わらないし、何も見えないし
おそらく呆気なく命を落として終わるだけじゃないかな
まずは日本をもっと知ろう
自分のアンテナを磨くことから始めよう
映画やニュースやネットに踊らされずに、まずは自分の現実、周りで起こっている現実を見つめ直せば
別に遠くに行かなくたって
気付きの多い良い人生になると思いますよ