匂いが人に与える深い印象

昔から実践してきた手法、あるいはマーケティングの考え方として、「5感マーケティング」と勝手に名付けています。この手法では、B2Bマーケティングの領域において、主に視覚と聴覚を活用してジャーニー上で接点を持ち、経験を通じて人々に影響を与え、態度変容やエンゲージメントを生み出すことを重視しています。さらに、嗅覚、味覚、感触といった要素を組み合わせることで、効果を相乗的に高める考え方です。

味覚や嗅覚に関しては、B2Cの領域では試食や店舗やホテルのディフューザーなどが一般的に知られていますが、B2Bの領域ではどのような効果があるのかという点について、実践した経験があります。具体的には、2010年の展示会での実施です。その際、細部にまでこだわったペルソナの設定と効果的な香りの分析を行い、あるホテルで使用されている特別なブレンドのディフューザーを会場に使用しました。その結果、ディフューザーを使用しなかった金曜日よりも使用した水曜日のほうがブースへの来訪者が34%も増え、フォローコールでも水曜日に来場した方々のほうが会社について覚えていてくれる人が多いという結果が得られました。

この結果には多少のバイアスがあるかもしれませんが、興味深い成果でした。

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