まだ今は遥か遠い8月の海
今回は、私と家族のコロナ備忘録になります。
まだ隔離中の鬱々とした気持ちがそのまま出ちゃうと思うので、苦手な方はご遠慮下さいね。
* * *
7月18日。いつもと変わらない祝日の朝…のはずが、なんか熱っぽいかも、という息子の声で一変した。
みるみる熱は上がり、ぐったり辛そうな様子。祝日に診てもらえる病院を調べて電話するも、かからない、繋がらない、やっと繋がっても断られる。
近隣の大きな病院には全て断られたが、夫がネットで順番待ちを申請できるクリニックを見つけて9時半の時点で200番台、ダメ元だったけれど午後15時頃には順番が回ってきそうになり、慌てて自転車で(息子は後ろに乗せて)向かう。
それほど広くない院内はまさに寿司づめ状態、病院の外までひとが溢れていた。
呼ばれる目安の時間に到着したものの、実際に呼ばれるまでは、待つしかない。
1時間ほどはじっと押し黙って待っていた息子が、静かに泣き始めたのには驚いて、それから胸が痛んだ。分かるよ、具合が悪い時の病院の待ち時間は、本当に辛いよね。大人でも泣きたくなるもの。
検査前には水分を控えるよう言われたので、お茶を飲ませることもできず、何とかなだめながら順番を待つ。……呼ばれた!
希望すれば家族も一緒にPCR検査をしてもらえるというので、夫と私も念のため受けることに。透明なボックスの中に入り、鼻から採る方式だ。
帰りぎわ、見ると待機番号は500番台に突入していた。この混雑っぷりはきっと今日だけでないはず。テキパキ動くスタッフの方々に、頭が下がる思いがした。
結果はショートメールで「夜中の0時までに」連絡するとあった。多めに見積もってるんだろうな、と思っていたら、本当に0時に受信。
夫と私、陰性。
息子、陽性。
ついに、わが家にも、きた。
* * *
マスク装着。換気。洗濯。消毒。料理。
それからの日々は、この繰り返しで過ぎていった。特に洗濯はこれでもかとシーツやら何やらしまくった。夏ですぐ乾くのはありがたい。
幸い息子の熱は3日目には下がり(発症日を0日換算)、学校も終業式を残すのみだったので、そのまま夏休みにはいる形となった。
息子が発熱中はそれどころでなかったけれど、病状が落ち着いてくると、今度は家庭内感染が気になってくる。つい、暇な時には「家庭内感染 何日目」なんて調べてしまう。体力には自信がないし、ワクチン3回接種済みとはいえ、その度に毎回副反応で寝込んだ辛さが甦る。
かといって、できることは限られている。
マスク。換気。洗濯。消毒。料理。
毎日不安を押し殺しながら、なにかに祈るような、挑むような気持ちで過ごした。
息子の発症から5日が過ぎ、6日が過ぎ…もうそろそろ大丈夫なのでは!?と気が緩んだ矢先。
正確にいうと6日目の夜、のどに違和感を感じた。痛いでもない、何となく嫌な感じ。熱はない。気のせいであってくれ…と念じて寝たものの、7日目の朝には微熱、あっという間に39度近くに。
息子の時にお世話になったクリニックの順番待ち申請が朝7時開始だったので、7時になると同時にクリック、それでも21番。よし。9時の診察開始に向けて準備、起きてきた家族に説明し、今度はひとりで向かう。
1週間前と同じ流れなので、クリニックでは軽いデジャヴ。形式上、検査前に医師の診察もあるが、前回と同じく15秒くらい。これだけの人数をさばくんだもの、そうだよね。
結果は見るまでもない。陽性。でしょうね、と冷静に受け止めた。ショックよりも敗北感。あんなに毎日消毒し洗濯したのに…はぁ。
とにかく回復に努めるしかない。
それからは最低限の家事(犬の世話や家族の食事、洗濯)を済ませたら気絶するように数時間寝る、そしてまた起きて…を繰り返した。
まだ動けるうちは動きたいという気持ちが強かったし、その方が気兼ねなく休める気がした。
回復後もあまり食欲が戻らない息子に、毎食レトルトや出前は厳しかったのもある。
そのかわり。
わが家は平日なるべく炭水化物を避けていて(息子以外)、大人は野菜とおかずだけ、という日が多いんだけれど、この緊急事態、そんなことは言ってられない。
大・炭水化物大会開催。
米はいいね。
最低限、米だけあれば何とかなる。
発熱中に作ったメニュー。
カレー(肉を変えて2回、具はたまねぎ肉のみ)
トマトストロガノフ(カレー亜種)
牛丼
蕎麦
カオマンガイ(炊飯器で鶏肉と炊くだけ)
カレーピラフ(炊飯器)
焼きそば
ザ☆炒飯(レンチン。神!)
……カレー多いな。笑
しかし私自身は全く食欲がわかず、数日はくだものとポカリのみで過ごす。
それに味覚障害!
なにげにこれが辛かった。
私の場合は、とにかく何もかもうっすら苦い。
大好きな小豆茶も黒豆茶(冷)も
「いったいキミは誰だ…??」
な味に。
ただでさえ料理時いつも以上に消毒やら味見に気を使うのに、味ワカンナイヨになっちゃって、ほぼ勘で作れるもので勝負した。
あとはもう仕方ないと諦めて、あまり気にしないよう心がけた。それほど変化が感じられないという点でも、果物は食べやすかった。
たごぴのすもも…本当にこのジューシーさに救われた…✨届くタイミングも最高!ありがとう!!
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感染中、印象に残ったこと。
まだ高熱の時、家族のご飯の準備を終え、疲れてベッドで横になっていると、お腹がぐうぐうと鳴った。食欲はなくて、でもお腹は空いていて、かといって起きあがる気力もなくそのままいたら、食べ終えてとなりでタブレットで遊んでいた息子が「ママのお腹、ずっと音鳴ってるー!」と楽しそうにからかってきた。
ママはお腹空いてるんだよ、と言う元気もなくて、ただ黙って微笑みながら、ああ本当に辛い時は、声を出すのも大変なんだな、と実感した。(少ししてから頑張って起き、食べた)
寝る時もマスクをつけて寝ていたら、高熱時に自分の息で暑くなったらしく、気づけば顔がアツアツ、頭がガンガンに痛くて熱中症になりかけていたと思う。(汗をかきたくて敢えて長袖厚着の昭和ストロングスタイルだったし…)
慌てて起きて顔を冷やし水分摂取したけど、本当に危なかった。発熱時のマスクは要注意です。(それから就寝時はせめて鼻マスクにした)
★今回あって助かったもの
☆ポカリ…大きいの数本と、500mlサイズもあると便利。枕元ではコップより500mlサイズが飲みやすく、減ったらその分冷蔵庫の大きいのからまた移して飲んでました。
☆くだもの…息子はキウイフィーバーでキウイを毎食食べ、私はすももやバナナが食べやすかったです。他にも西瓜メロン桃など。
☆曲がるストロー…息子の水分補給のため。ストローがあるとどんな体勢でも飲ませやすい。こどもは自分で定期的に飲むのは難しいので、しつこく声をかけ飲ませてました。
☆パルスオキシメーター…申請して借りました。辛い時も目安になるので安心感あり。あと体温計も2本以上あったほうがいいかも。
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私の場合は、高熱は3日目に下がったものの、頭痛、めまい、からだのダルさ、節々の痛み、喉の痛み、下痢。微熱がなかなか下がりきらず、平熱に落ち着くまでかなりかかった。
そしてこれを書いている今日、発症から10日目。やっと、やっと。隔離最終日だ。
数日前にひと足先に隔離期間を終えた夫や息子は、その間、仕事や習い事、買い物に行ってもらっている。(私も今回知ったのだけれど、家庭内感染の場合、回復した順に隔離解除になる)
気づけば家族の中で、私がいちばん隔離期間が長い。息子が発症してからもう16日。
(夫は今回奇跡的に大丈夫だった。夫の免疫力、グッジョブ!)
いつの間にか、もう8月だし、夏休みだし、まだ少し動くだけですぐ疲れちゃうし、現実感がずっと戻ってこなくて希薄だ。ぼうっと過ごしている。
今週末には夫の友人家族たちと房総の海に行く約束があって、目を輝かせめちゃくちゃ楽しみにする息子を見ていると、せっかくの夏休みだしそうだよね、と思いつつも、果たして今週末に海にいる自分というのが全く1mmも現実味がなくて、ふわふわしている。
軽症デスンデヨカッタ。
本当にそう。
本当にそうなんだけど。
なんだかやり場のない感情が、ずっとゆらゆらとさ迷っている。
これも後遺症というのかな。
戻れるのかな。
それを冷静にみつめて書けたらいいのだけれど、まだその気力はないみたい。
せめてここに、ぺたりと置いておこう。
とりとめのない文章になりましたが、読んでくださりありがとうございました。
今まさに発症中や隔離中の方、どうか早く良くなりますように。
医療や救急に携わる皆さま、本当に大変な中、ありがとうございます。