スティーブ・ライヒ『18人の音楽家のための音楽』
ちょっと前だけどスティーブ・ライヒの『18人の音楽家のための音楽』を生で聴ける機会があるということで、東京オペラシティでのコンサートに行く。
前提として、私はこういうミニマル・ミュージックとかに詳しいわけでもなんでもない全くの素人なのだけれども、この曲は何かのきっかけでYoutubeとかで聴いて以来気に入っていて、こういうのは人生で一度くらい生で聴いておいた方が良いだろうという直感に突き動かされて聴きに行った次第。
せっかくなので感想メモを放流しておくだけの記事です。
1曲目、ダブル・セクステット。
この曲は素人が聞いてもシンプルにかっこよくてすき。
いい感じに中二心をくすぐるかっこいいコード進行とめちゃ複雑なリズムが続く。
序盤は頭の中でこのリズムは332232322だなみたいなことを数えながら聴くんだけどそれもどんどん移り変わってわからなくなっていく。
ラストに向けて徐々に盛り上がって爽やか・華やかな感じになっていき、ものすごい高揚感を伴って終わる。
この高揚感は今改めてYoutubeで聴いても頭の中で再現されないので生で感じるべきものかもしれない。
2曲目、トラベラーズ・プレイヤー。
これは割と最近の曲。初めて聞きます。
コーラスがメインでミニマルな感じではなくて、こういうのもあるのねと。
男声コーラスすごいきれい。
ただ非常にゆったりした曲調が続くので、ちょっとウトウトするのは仕方ない。
3曲目、18人の音楽家のための音楽。
どことなく会場全体から待ってました感を感じる。
ひたすら正確無比なリズムを刻み続ける凄み。
女声コーラスすごいきれい。
演奏の様子をじっくり見てると、コーラスの人が急に立ち上がってピアノに移動して弾き始めたり、マリンバの演奏の途中で華麗に奏者がバトンタッチしたり、視覚的な面白さもあって飽きない。
セクションの切り替えはクラの人が立ち上がって合図してたのかな。
そうするとなんとなくふっと空気が変わる感覚が生で感じられて面白い。
特に中盤でマラカスが入った時のきたきた感がなんとも言えない。高まる。
ラストは初めの曲調に戻って一人また一人と演奏から抜けていって、最後の最後はバイオリン一人になってその音もついに消えて――からの余韻の10秒間、凄すぎる。
1時間じっくり聴いた後の静寂。ものすごい何かを感じたけど、それを表現する語彙力がない。圧巻。
こんな演奏をひたすら正確に続ける奏者、本当に人間かって感じだけど、終わった後ちょっと腕ブラブラさせて普通に疲れてそうで安心した。
そら腕パンパンになるわ。
ところで今回は前方の端の方の席だったけど、場所的にスピーカーの目の前で、そちらからの音がかなり強く感じられる印象だった。
音響的にはもっと後方真ん中あたりのほうが正解だったりするのかなと思ったり。
まとめ。
普段はこういうミニマルな長尺の曲はどうしてもながら聴きになってしまうけど、こうして集中して聴ける環境に身を置くことで感想が変わって来るということを実感。
こんな曲を作る人がいてかつこんな曲を演奏する人がいてさらにそれを聴きに来る人もこれだけいるっていうことに感じ入る、そんな体験だった。
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