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【読書】うつくしい人 西加奈子

”他人の目を気にして、びくびくと生きている百合は、単純なミスがきっかけで会社をやめてしまう。発作的に旅立った離島のホテルで出会ったのはノーデリカシーなバーテン坂崎とドイツ人マティアス。ある夜、三人はホテルの図書館で写真を探すことに。片っ端から本をめくるうち、百合は自分の縮んだ心がゆっくりとほどけていくのを感じていた-。”

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そこにある景色、モノは何も変わらない。
変わるのは、自分のいる環境、気持ち。

いつも「誰か」に対して見栄を張っていた。
その誰かとは、”一番嫌っていた実の姉”だった

姉は持っていないモノを持っている、特別な時間を過ごしている、特別な世界を知っていることに優越感を抱いていた。

しかし、他人を見て思っていたことは実際には異なることが多く、自分が思っている他人からの目線も間違っていることが多いことに気づいた。
(無駄な自意識により、些細な出来事を敏感に受け取り自己嫌悪に陥る面倒な三十路女性)

こんな時期は誰にでもあるのではないか。
自分の生き方を世間と比較し、誰よりもいい情報を持っているというマウント合戦。
旅、出会いを通じ、本当は気づいていたが奥の方へ隠していたものを徐々に開放していく。

自分が過ごした時間を客観的にみているようで、本に吸い込まれるように読んでいった。



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