夢の澱

日没前、永遠にひだまりの中に溶けていく
小さな赤いサンタクロース
クリスマスの前に儚く淡い
柔らかな靴紐に結ばれて
やがて来る夜の闇に溶けてうずくまっている
夢の澱

いつかはここで誰もが待っていた
神がここに降りてくるのを
小さな手のひらを膝小僧に寄せて
誰に目を合わせることもなく ひとりで目を潤ませて……