くちづけ

宵闇は白く 淡く
透明に浮かぶ血の赤い色
肌の上にくっきりと浮き立たせて
悲しみに暮れる静脈の色
青ざめて花びらのように舞う
水面に溶けていく血の淡い色

明け方の青白い色
凍りついたビルの灰色
無数の窓に釘付けにして
鼓膜が痛いほど朝焼けが濡れていく
窓ガラスに映る赤い色
永遠に透明なまま
凍てつく夜を朱に染めていく