夜の跳躍

青ざめた破壊の恋なら
もう既に記憶の底に沈んでいる
浮びあがらずこびりついて
昨日と明日の記憶を奪う

奥歯のきしむような違和感に
小さく震えて知らないふりをしながら
黙っている

色褪せた写真だけ
手元に残るように
記憶の底で蠢くものと対峙して
破壊を好まない禅僧よりまだ青ざめて
じっと廊下の床を見ている