夜の波音

美しい 曲と曲のあいだから
その隙間から聴こえてくる
静かな夜の足音
足の爪と指の腹の間を撫でるように絡みつく
緩やかな水の流れ
段差から 飛び込んで
夜の波と
離れていく感情と
消せない涙の味
私の体 落ちてゆく
夜の隙間に 染み込んでゆく