風に吹かれて

海岸沿いに立ち尽くして 果てのない夜の旅
砂に埋もれる足の指
果てはない けぶる夜の彼方
夕闇色の気配を纏って 裾から覗いた踝の硬い骨
淡い骨の色を辿って あてのない旅に出る

耳の奥に残っていた 夕まぐれの風を切り裂いて
身体は前へ飛んでいく
もっと遠く 果てのないところへ

宵闇を切り裂いた夜の風 引き裂いて肌に纏えば
いつまでも胸の奥で 澄んだ音で鳴る風の色
ひとつ残らず掴んで 今はただ風になる