夜の闇

浮かんでいく
泡沫のなか
水のなかに沈んでいく

昨日見た夢の続きが
彼岸の縁で 揺れている
鼓膜を静かに叩く雨粒のように
網膜の底 流れ着いた
微細な振動
睫毛の先の微かなふるえ

細かなガラスの破片のように
水の底で何度も光る
沖合の救難信号のように
防波堤は孤独を増して
私たちを押し流す

#詩 #現代詩