残響(呼吸)

焼けつくような孤独の果てに
人は何の夢を夢見ているのか
いずこへ いずこへ行こうとするか

石で出来た冷たい十字架
不穏な時代に共鳴している

白い肌に流れる血
石段の踊り場まで流れて
絶え間なく床を濡らしていく

血も涙もない人形になって
もう一度
冴えない時代に生まれ変わる
神の僕

礼拝堂の隅で 擦り切れた羽根に見とれていた

静寂が谺している
血の色は呼吸している…