宵闇

甘く湿った風が吹いて
時間だけが静かに流れる
畳は乾いて主人の帰りを待っていた
畳の上に西陽が長く伸びて
細くなり消えていった

一瞬の鋭いきらめきに
目に映るすべてのものが 儚く淡く弾けていった
ガラスの縁についた 優しい泡のように