貝拾い

遠浅の日差しの中
痛み止めを飲んで
華奢な脚をゆらゆら動かした
砂浜の温かさに皮膚も呼吸している
澄み切った季節も滲んで
まばらに通過していく

波打ち際に貝殻を捨てて
湿った空気の中で手足をひらひらさせている
空気は生温かった
空は白かった

春には名前がない貝が
いくつも打ち寄せられて
それらの全ては押し流されて
海鳥の餌になる