Asian grotesque

古い霊園の近くの駅の
1番線下りホーム
蝶の羽根は地面に広げられたまま
永遠に動かない

一瞬だけ目を奪われて
鮮やかに消えていく

色褪せて乾いた羽根
いつかは腐って
黒く干からびた腸(はらわた)
崩れ落ちていく

うららかな春の日の午後
太陽は静かに
眩しいほど照りつける
蝶の羽根は鮮やかなまま
1番線下りホームの上で
永遠に釘付けにされている