漂流

夢と夢の隙間にある柔らかい襞
溶け出す氷に反射して
柔らかい手は冷たく白く
死者の色になる
静脈は青白く
指の形に沿って小さく震えて
白く浮かぶ氷河の世界
死んだ海を 哀れに漂う

遠浅の海は
水底まで透けていて
身体を引き入れようとはしない
船底は強く浮かび上がり
きらめく太陽の反射越しに
波間をうねるようにして
舳先の滑る方向に
漂いながら押し流そうとする

哀れな魂を載せた船は
この身体は何処へ行くのか