言葉はいらない

弛緩しきって降り立つ場所を探す時
もうすぐ先に限界はある

筋肉の繊維のひとつひとつを
ひび割れた細胞の欠片を思う

金属質の唸るような風切り音に紛れて
大停電の夜は続く
夜も明けきらぬ 眠りも覚めぬ頃
風の中で錐揉みに揉まれて
舌の上に広がる極上の味を天罰と受け取って
果てに向かって 飛ぶ