風切羽

身体を虚空に解き放てば
夜の闇に滑り落ちていく
宇宙の色に染まった暗闇の中で
目を凝らせば 星だけが瞬いて
冷たく地上を 照らしている
遠い彼方にある孤独が 掴みきれないほど
とりとめもなく 手からこぼれ落ちていく

その親愛を その情愛を
今もまだ 胸の奥に燻らせて
吹き荒ぶ風の中を
息を切らせて 駆け抜けていく
今はまだ その呼吸を止めずに
生き抜くことだけを考えて

星々が瞬く宇宙の涯で
ただひたすらに 呼吸を繰り返していた
身体の中にある祈りを
解き放す術も知らないままに