滴りゆくもの

夏の午後の光の中で 永遠に時が止まったようになる。
彼女の輪郭は揺らいで 震える睫毛の上に 時が凍っている。
彼女の笑顔は柔らかく失われていく。はにかんだ頬の上に。
永遠に時が止まり 彼女はひとつの彫刻になった。
幾つ時を重ねても 彼女の笑顔は 戻りはしない。

自然に溢れる 時の流れを感じている。
緩やかな 祈りの上に。