燐光

夜の隙間から 入り込んで逸れた
誰もいない夢
見ていると怖い夢

裏側には闇がある
分かっているはずなのに
理解出来ずに 手を伸ばす
仄暗い水面に映る 青白い肌の女
燐光が微かに煌めいて
もうこの世のものではないと知る

微かな肉体
柔らかな身体
触れると消えてしまいそうな
あなたの肌が感じ取れた最後の
風の静けさ