Amnesiac

感情のひとひら
多くの言葉は声にならずに消えていく
指先で撫でた記憶が
よく磨き込まれたテーブルの艶やかな色のうえ
いつまでも後を引いて流れる
よく晴れた午後の日差し

記憶は夕闇の中
すれ違う人の影
静かな川の流れる闇の中
夕闇のヘッドライト
一瞬のきらめき

気が狂れる時
背後に人影が立っている
気配だけが耳をつんざくほど
静かに心が乱れていく