地震を震災にしないために(3)

全3編ぐらいになるかと思っていたのですが、追加でいろいろな問題が生じたいるようなので全5編になりそうです。
あまり考えたくないような事ばかりになりそうですが、避けて通るべきではないと思っています。



・新しい物、東日本以降

東日本大震災以降に普及してきた、新しい物の災害時の危険性を考えておかなければなりません。
新しく普及させようというものは、長所ばかり喧伝されて、災害時の不都合など、ほとんど取り上げられません。新しいもの程、不測の事態が生じる、ということを忘れてはならないと思います。



・YouTubeなどの煽り情報と食品備蓄、特に最近のお米

最近の傾向として最も注意すべきは、YouTubeなどのネット上の煽り情報です。

ネット民と呼ばれている人々は、テレビを見ないということだけで優越感に浸っていて、脇が甘くなっているのに気付いていません。

このため簡単に詐欺・偽・煽り・ステルス販売などの情報に簡単に引っかかっています。
最近では「アフィリエイト」という、結局は宣伝というものも多いので、投稿者の出所の確認も必要になってきます。

ケータイ・スマホでネットを閲覧している人々は論外としても、パソコン利用者にも誤認識させられている人は少なくないと思われます。
防災関連の備蓄を訴えるものも同様です。
(ネット情報の問題については別に投稿するつもりなので、ここでは詳述しません。)


・米問題

一般の個人がお米を長期備蓄などできる訳がありません。
専門施設では膨大な費用をかけて大量に保管しているのです。

密封されていた食品や薬品などは、その間の劣化は防げますが、皆生き物なので分解したくて、非常なストレスが溜まった状態になっているのです。呼吸がしたいのです。
このため長期保存されたものを開封すると、通常に比べてかなり高速での劣化が進みます。
人間で言えば、プールで息を止めていた後の激しい呼吸のようなものです。
極端な場合、開封して一晩で劣化を経験したことがあります。

食品、調味料など、しばらく使っていなかったけれど大丈夫だった。
「よかった、また使おう」といった時にすでに劣化している、ということが非常に多いのです。
私は、ソース、からし、調味料、ハンドクリームなどで当たったことがあります。

硬いプラスチックチューブの容器が自力で復元しようとする時に空気を吸い戻すので、一番注意が必要なようです。

このため小分けをして、一回分の利用単位で密封する必要があるのです。

備蓄用としていろいろなものが宣伝販売されていますが、
備蓄明けでの状態を継続吟味して報告しているものはほとんどありません。
開封直後に問題が無いのは当然のことです。
一番妥当な線と思われる動画を見つけたので参考に紹介しておきます。

使い切りの一回分ずつ小分けにすればよいのでしょうか?
数が多くなれば手間と、密封時の失敗を防ぐための注意の必要性が大きくなります。
袋の強度や費用もバカにならないでしょう。
災害時に電気釜は使えるのでしょうか?
カセットコンロ等を使うとしても、玄米のまま、ナベ・カマで炊飯は可能なのでしょうか?
精米するとしたらどうするのでしょうか?
昔のように一升瓶に入れて棒で摩擦するなどということは可能なのでしょうか?
このように疑問に思うことが多々あるのです。

これらをすべてクリアしなければならないのです。

急激に劣化したものを気付かずに食べ続ければ、健康な人でもアレルギーを発症するでしょう。

開封までは保存が保証されていても、開封後一瞬で劣化したものは販売者にとっては無関係なのです。
「当方では開封したものの責任は一切負いません」というやつです。

スーパーの食品はすべてこの考え方です。
旧来の、米屋、肉屋、八百屋、魚屋などの生鮮食料品は、劣化開始を理解した上での販売なのです。
ですから、「こうやっておけば何日ぐらいもつよ。」と教えてもらえるのです。

食品の備蓄は正しい方法で行ない、寡占を許さないためにも、公的機関が逐一状況・状態を報告をしながら保存するべきなのです。


粉状や細粒状のものは、体積に比べて表面積が大きいので酸素などの気体は急速に入り込みます。

挽肉なども同様の理屈です。
肉など大きな塊で保管できるものは大きなまま保管して、外部の劣化した部分を取り去って利用するということです。スーパーなどで挽いたりスライスした肉を買うのであれば、精肉店で大きな塊からその場で加工してもらうというのが理にかなっているのです。

粉製品は元の穀物のまま保管して、自分でその都度利用する分だけ粉に挽くというのが理想なのです。
小麦が体に悪いといわれるのは、この保管方法の誤りが大きいと考えます。

備蓄食品はこの点を良く考えてから利用しないと、避難所で体調が悪くなる原因となります。
災害関連〇というものにも無関係ではないのです。


50年程前に山梨県の七面山に高校の友人たちと行ったことがあります。
山を降りた後、バス停のある角瀬(すみせ)に一軒の食堂があり、そこでうどんを皆で注文しました。
おばさんが丼山盛り一杯の白菜の漬物をテーブルに持ってきて、何をするのかと奥を覗き込むと、
粉からうどんを打っていました。
地元の方はバスが来るまで2時間以上あるのを当然知っていたのです。
「これでも食べて待っててね」ということです。
究極のフードロス対策です。昔はこれが当たり前だったのです。

だから江戸の蕎麦屋へ行っても最初にお酒が出てきて、
それをちびちび飲みながらゆっくり待っていたのです。

今の讃岐うどんのように、硬いものを1杯提供するために20杯分捨てていて価格を下げられない。などと聞くと、「それでいいのか」と思ってしまいます。


最近のネットでは備蓄するのが正義、というおかしな考えが蔓延しているようで、備蓄品を避難所に携行すると、備蓄をしていない人々が物乞いをするように表現しているものがあります。
おかしな所で対立を煽るような言説で看過できないものと思います。
このような事を肯定してしまうために、意味のない無駄な買占めが広まってしまうのです。

備蓄をする空間的余裕があるのであれば、避難所を利用する必要はないはずです。
備蓄品を消費したいのであれば、すべて消費してから避難所を利用すればよいでしょう。
その後、欲しいという人がいたら、多くの人に行き渡るよう少しずつ配れば良いのです。
避難所の責任者に一任してしまうという手もあるでしょう。


戦争末期、母が子供のころ、家で研いでお釜に入っていたお米が盗まれたことがあったと聞きました。
水が点々と滴り、犯人は一目瞭然だったそうです。
それでも、誰も咎めだてしなかったそうです。
母の家は当時8人家族で、敷地内に20人ほどが入れる防空壕まで作ってあったそうです。

持つ者と持たざる者の違いは、その時の運でしかありません。
持つ者は分け与える必要を考え、持たざる者は控え目に所望する。
日本人ならばそれが可能だと思います。



・メガソーラー、ソーラーパネル、EV車、充電施設

2013年から急激に進んだといわれる太陽光発電。
脱炭素が提唱されるようになり、震災後も変わらないIHヒーターの普及など、電気中心の生活に拍車がかかっています。
EV車、バッテリー、充電施設。
災害時でなくとも、発熱、爆発、炎上の恐れが無くならないのに、
政治によって利用促進が続けられています。

毎日のようにネット上では中国の災害の様子が流れてきますが、
EV車関連の影響についての情報はまったくありません。
中国の洪水は淡水、日本の津波は海水、という相違と、
水は不純物が多いほど電気がよく流れる、ということで安心はできません。

都市部の人間が知らないうちに、山間部にメガソーラーができつつあります。人里離れたものに関しては災害時の直接の人間への影響は少ないと考えますが、対応を怠ることはできません。
現時点では地震だけによる影響は少ないと思われますが、
低標高地などの立地条件から十分な防災処理の検討が必要になるでしょう。

ソーラーパネルに関しては、
破損後も日射があれば発電するので漏電の危険があるといわれますが、
現時点での国内の大雨による洪水災害では報道されていないようです。
鬼怒川の決壊は、第一報ではソーラーパネルの置かれていた部分の土手が決壊した、といわれていたのに、その後は何一つ決壊した土手の部分の状況については語られていません。???

(2024.9.10追加)ちょうど以下の記事が出ていました。

EV車・バッテリーの爆発・炎上も考えられますが、
水中であれば大規模に拡大することは少ないと思われます。

最近ではパネルに付随するAC/DC変換器から電磁波が生じ、防災無線の周波数帯に影響がありそうだと報告されています。
それ程のものであれば、人体にも少なからず悪影響があると思われます。
万が一、これに該当するものを設置されている方は、設置前後の体調の変化なども確認すべきだと思います。
しかしほとんどの場合、実際には近距離に存在する自家用の物に関して、
災害時に漏電・感電の恐れがあるかを十分確認しておければ一安心かと思います。


・風力発電

風力発電施設に関しては、私も知識が少ないので、詳しいことは申し上げられませんが、停止してしまうのは当然の事として、倒壊の危険が注意される点だと思います。
立地に関しては、交通量の多い道路付近というものは無いと思いますが、
海に近い場合には倒壊・流出も考えられます。

(2024.9.10追加)
先日の台風による中国の被害です。壊れるとこういう状況になるということで、参考のためあげておきます。




最後の発電関係については詳しくないので、申し訳程度になってしまいました。お許しください。
次回は避難所関連の問題と長期的な展望が残っているので、どちらを先にするか、話の流れとして1回か2回でわかりやすい形にしていきたいと思っています。

お読みいただきありがとうございました。



いいなと思ったら応援しよう!

M 0.0(エムゼロゼロ)
サポートいただけるとありがたいです。資料収集活動、その他地域猫の保護費用に使います。ニャンゲル係数、高いニャン。